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【ついに完成!】TOSHI NAGAIが惚れ込んだIEMメーカー=qdc! 新たなカスタム・モデル製作に密着!!【後編】

  • Photo:Akito Takegawa

③Review〜qdcでカスタムIEMを製作して〜

最後に、完成したIEMを実際にTOSHI NAGAIに試用してもらった。試奏では念願のIEM完成に感激の様子で、音像の心地良さにずっと叩いている姿が印象的だった。IEM製作も久しぶりということで、アップデートしたカスタム・モデルの魅力を存分に語ってもらった。


音数が増えても
すべての音がクリアに聴こえる
自分の理想に一番近いイヤモニ

●今回qdcで新たなカスタム・モデルをオーダーされたということで、そもそものお話になりますが、イヤモニをアップデートされるのは何年ぶりですか?
○正確には覚えてないくらいずっと使っているんですけど、おそらく10年経つか経たないかくらいだと思います。その間に耳型や細かいカスタムを作り替えてはいますが、あくまで同じメーカー、同じモデルを使っていたので、メーカーそのものを変えて作るというのはだいぶ久しぶりでしたね。

●完成したイヤモニを見て、いかがでしたか?
○還暦ということで、シェルのカラーはレッドでオーダーしたんですが、ゴールドのフレークが予想以上に贅沢に使われていて、全体的にオレンジがかっていたのはびっくりでしたけど(笑)、すごくカッコよく作っていただいたので、うれしい予想外でしたね。よくよく考えたら還暦って1年で終わっちゃうので、これからどんどん歳を取っても、ギラギラでいたいという意味も込めて(笑)、とてもいい仕上がりになったんじゃないかと思います。

●先日試聴したユニバーサル・モデルではイヤー・ピースを使用しましたが、耳型を採取して作ってみて、音質の感じ方はいかがですか?
○音質は前回試聴したときと印象は変わらず素晴らしいのはもちろんなんですけど、自分の耳型にしたので密閉度が高くなったのに、耳の奥に入り込んでくるような圧迫感がなくて快適ですね。シェルの大きさによっては、シェル自体が振動しちゃうこともあるんですけど、それもなく、着けていて心地良いです。自分の耳型にしたことで、Studioモデルの、フラットで精細でコード感もしっかり感じられるという特徴がさらに際立っていると思います。現時点では僕の理想に一番近いイヤモニになっていると思います。

●これだけ性能が上がったら、モニター・バランスも若干変わってきそうですね。
○そうですね。バランス自体は前から言っているように、CDで聴くような、マスタリングされた音源に近いバランスで聴くので、変えるとしたら音量ですかね。音を大きくし過ぎないというのは耳にとって一番大事だと思うんですけど、Studioモデルはすごくクリアで、音量を下げてもどの帯域もしっかり聴こえるので、もしかしたら今までよりも音量自体を下げて使えるかもしれませんね。さっそくリハでも使ってみようと思います。

●今回は実際のリハーサルを想定して、ドラム単体と、オケを流してみての2パターンで音を聴いていただきましたが、オケとの混ざり具合いはいかがでしたか?
○やはりクリアな音質なので、分離感が非常によかったですね。オケに対してドラムを大きくしてもどちらもきちんと聴こえるし、ドラムに対してオケを大きくしても、ドラムがはっきり聴こえる。これだけ分離感があると、音数がもっと多い現場でも、十分対応できると思います。

●中国のプロ・オーディオ市場でシェア7割を占めるだけあって、音質やフィット感に知見がすごくあるんでしょうね。
○そうですよね。国外メーカーにも関わらず、国内と遜色ないくらい、対応にスピード感があるのもびっくりでした。今のライヴの現場ではイヤモニは必須と言えるほどなので、メンテナンスの速さは生命線ですからね。その点も素晴らしいと思います。

●ではカスタムIEMが完成して試してみて、あらためてTOSHIさんが感じるqdcの強み、魅力とは何でしょうか?
○これまで言ってきたことと重複になりますが、やはり音質のクリアさ、分離感、密閉度、どれをとっても僕好みでした。qdcならリーズナブルなモデルも音質がクリアで、音量をあまり大きくしなくていいので、多くの人に試してみてほしいですね。特に若者世代に難聴が増えてきているという話も聞いたことがあるので、ミュージシャンには適正な音量でモニターできるイヤモニが重要になってくると思います。

モニター環境を整え始めた頃、最初期はヘッドフォンだったんですけど、その頃は本当にストレスが多かったんです。クリックを聴いたり、ドラムの音質、バランス、音量を調整をして、とドラマーは本当に大変な思いをしてきたと思うんですけど、IEMが開発されて、素晴らしいものが出てきたなと思いましたね。そうなるとステージにストレスを持ち込まないために、さらに欲求が増えてくるんですけど、自分のイヤモニをアップデートしていくたびに理想に近づいて、僕が知る限り、今回作ったこのモデルが最高峰だと思います。

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