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    Selected Jeff’s Works 沼澤 尚が選ぶジェフの名盤 100〜Vol.02〜

    スティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス、マイケル・ジャクソンなど数々の傑作にセッション・ドラマーとしてその名を刻み、TOTOのメンバーとしても大成功を収めた伝説のグルーヴ・マスター、ジェフ・ポーカロ。本日は彼の生誕記念日。存命であれば今年で67歳になるそうです。ここでは功績を語り継ぐべく、生前ジェフとも親交のあった沼澤 尚が選んだ“ジェフの名盤100”を10日間に渡って紹介! 2日目=Vol.02では77〜78年に参加した10作品をフィーチャー!! 

    初レコーディング作品を含む10作品を紹介したVol.01はこちら

    『Baby It’s Me』/Diana Ross(1977年発表)

    大物プロデューサーのリチャード・ベリーが手がけた作品。シュープリームスからの流れのモータウン的雰囲気と、コンテンポラリーなソウルが絶妙に融合した過渡期的なアルバムで、ジェフのプレイはその音楽的シフトに大きく貢献。タイトル曲でのファンキーなプレイはそれを象徴している。TOTOチームも参加。(菅沼道昭)

    『Captain Fingers』/Lee Ritenour(1977年発表)

    LAのトップ・スタジオ・ミュージシャンだったリー・リトナー。デイヴ・グルーシン・プロデュースのデビュー作がとにかくメチャクチャカッコいいのだが、このセカンドは世界的に大流行するギター・フュージョン・ブームの火つけ役になり、炸裂しまくる気合いのジェフの名演が有名になったことでも特に重要な作品。(沼澤 尚)

    『Thunder in My Heart』/Leo Sayer(1977年発表)

    「You Make Me Feel Like Dancing」(オリジナルのドラムはスティーヴ・ガッド)の大ヒットで知られる、これまたR&Bテイストのイギリス人シンガー・ソングライター=レオ・セイヤー。リチャード・ペリー・プロデュース三部作のセカンドで全編参加しているジェフが、こうしたさまざまなスタイルの楽曲にいかに命を与えるかを堪能できる。(沼澤 尚)

    『Lisa Dal Bello』/Lisa Dal Bello(1977年発表)

    デヴィッド・ペイチが作曲し、TOTOがバックを固めて『Hits』に収められた、マニアックなファンに人気のボズ・スキャッグスのソウルフルな傑作「Miss Sun」。後半に登場する女性ヴォーカルが注目されてその存在が有名になり、デヴィッド・フォスターのプロデュースでこの面子が集まって、となれば当然のこのクオリティ。(沼澤 尚)

    『Just A Stone’s Throw Away』/Valerie Carter(1977年発表)

    初めて彼女を知ったのがこのアルバムだっただけに、近年はジェームス・テイラーのバックアップ・シンガーとして活躍しているのに逆に驚いた。デビュー・アルバムにして、その特別豪華な参加ミュージシャン達と、このジャケからは想像できなかったフォーキーかつファンキーなサウンドがとにかく衝撃的な素晴らしい作品。(沼澤 尚)

    『Waters』/Waters(1977年発表)

    2014年のグラミー賞でベスト長編ドキュメンタリー作品の栄冠を見事に受賞した映画『バックコーラスの歌姫たち』。参加作品の数だけでも圧倒的な存在感を示すコーラス・グループ=Watersが、マイケル・オマーティアンのプロデュースでリリースしている唯一のオリジナル作品。ソウルフル感抜群のジェフの名演。(沼澤 尚)

    『Motion』/Allen Toussaint(1978年発表)

    1960年代から今なお現在進行形で大活躍中のニューオーリンズ・レジェンド=アラン・トゥーサン。この人の存在なくしては、ここまで世界的に広まったニューオーリンズ・サウンドの知名度や、その独特な音楽スタイルの影響力はまずあり得なかった。この歴史的重鎮がLAで豪華メンバーと共に制作した名盤。(沼澤 尚)

    『Songbird』/Barbra Streisand(1978年発表)

    ミュージシャンのクレジットがまったくない作品だが、ジェフのプレイと思われるトラックが前作『Superman』に比べて格段に増えている感じがする。メンバーの多くも被っていることだろう。前作同様に楽曲に添った自然体のプレイで、ミュージカル『Annie』の「Tomorrow」やスティーヴン・ビショップの曲を含むAOR傾向の強い作品。(菅沼道昭)

    『Single』/Bill Champlin(1978年発表)

    1960年代から77年までサンフランシスコで活動していた“サンズ・オブ・チャンプリン”も、もちろん素晴らしかったが、彼がソロになったこのデビュー・アルバムは本当に大好きで繰り返し聴きまくった。このあと、あらゆるところから引っ張りダコになるデヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンのチーム初期の大々傑作。(沼澤 尚)

    『Chanson』/Chanson(1978年発表)

    モータウン系のスタジオ・ミュージシャンのジェームス・ジェマーソン、デヴィッド・ウィリアムスによるデュオ・グループのデビュー・アルバム。同世代のレイディオ(レイ・パーカーJr.)やブラザース・ジョンソンなど同系列のバンドと共に、ブラコン黎明期を支えた隠れた名盤。ジェフの適度に“重い”グルーヴは時代を感じさせる色気を醸し出している。(菅沼道昭)

    2015年発表のExpanded作品

    ※本記事はリズム&ドラム・マガジン2014年5月号、6月号の記事を転載したものになります。

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