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【Report】パットの個性も浮かび上がるニック・ディヴァージリオの好サポート! 大団円を迎えたMR.BIG最後の日本武道館公演!!
- Text:Seiji Murata/Photo:Masanori Doi
武道館全体に鳴り響く
「To Be With You」の大合唱
そして「Undertow」をはさんで本ツアーのトピックである『Lean Into It』コーナーへ。筆者もリアルタイムのヘヴィ・リスナーだが、実に懐しい曲の連続で、ポール・ギルバートのギター・ソロまで当時のまま。曲を追うごとに当時の心象風景がめくるめく蘇る、そんな感傷に耽った人も多かっただろう。
エリック・マーティン(vo)によれば「Never Say Never」や「My Kinda Woman」は数回しかやったことがないそうだが、この日「Never〜」では、ニックがカウントで入ると、ポールが待ったをかけ、エリックが「ちょっと待ってくださ〜い」とおどけるめずらしいハプニングで盛り上がった。コーナー・ラストの「To Be With You」では、サビの大合唱が武道館全体に鳴り響いた。
続いて、Bステージへと移動しアコースティック・コーナーへ。ニックは小口径キックとスネア+シンバル代わりのタンバリンというセッティングを、曲に合わせてロッズとブラシを持ち替えて立奏し、「Big Love」、「The Chain」、「Promise Her The Moon」などを、リムを駆使しながらパーカッシヴに巧みにグルーヴさせていた。実に歌心のあるドラマーだ。
全員がメイン・ステージに戻ると、エレアコでの「Wild World」から最終コーナーへ突入。観客との掛け合い大合唱が終わると、ギター・ソロからの「Colorado Bulldog」へ。初っぱなの大迫力ユニゾンも息がピッタリだ。そしてベース・ソロからの「Shy Boy」、「30 days in the Hole」という王道リレーから、さらに恒例のパート替えでは、ヤング・ラスカルズ「Good Lovin’」を披露。ニックはギターを弾きながらコーラスもしていたし、ポールは相変わらずツイン・ペダルを駆使したコンビネーション・フレーズも自由自在だった。
演奏が終わると、ビリーが1人でマイクに向かう。この34年間、日本の文化や人と出会ったことで人生が変わり、他のバンドがうらやむほどに日本のファンに愛されたことへの感謝を述べると、メンバー1人1人とそのファミリーを讚えながらステージ中央に呼んで抱擁し合う。最後にはパットのファミリーも登壇し感動はピークに。「われわれMR.BIGファミリー全員が、みなさんを愛しています」と声を上げると、エリックが人差し指を突き上げ、もう1曲いくぞ!と、往年の「Baba O’Riley」カヴァーで本当の最後を締め括った。
ニックが公開した
日本ツアーのVlogはこちら↓
https://youtu.be/XZdXNHyuTjo