PLAYER
“フリースタイルドラム”が
ストリート・カルチャーのひとつとして
認知されるようになってほしい
見る者を釘づけにする“スティックトリック”が話題を呼び、SNSに投稿したプレイ動画が200万回再生以上を記録したフリースタイルドラマー、Koh。リズム＆ドラム・マガジン2021年4月号内の連載“セルフィー・セミナー the Specialist”で、パラディドルを組み込んだスティック・コントロール術について解説してくれた。ここでは、“フリースタイルドラマー Koh”の実態に迫るべく、彼のプロフィールについてインタビュー！ スティックトリックを始めたきっかけからその魅力まで深掘りしていく。
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新しい技を生み出していくには
好奇心を止めず
少年の心を持ち続けることが大事
●SNSではKohさんのパフォーマンス動画がたびたび話題をさらっていますが、そもそもスティックトリックをやろうと思ったのはどういった経緯でしょうか？
Koh ドラム自体を始めたのが、中学校の部活動紹介の際、吹奏楽部の演奏でドラム・セットのカッコ良さに憧れ、入部してからのことです。それから中学2～3年頃に、ルーディメンタル・ドラマーの石川 直氏のドラム・パフォーマンスを映像で見てから心を奪われ、目と耳の両方で楽しめるという部分に魅力を感じて、スティックトリックをやるようになりました。
●石川氏のパフォーマンスを見たことがきっかけになったんですね。他にご自身のプレイに影響を与えたアーティストはいますか？
Koh 石川 直氏がルーツではありますが、ドラム・テクニックの根幹は、ドラム・パフォーマンス・グループ“鼓和”の大窪研二氏から教わった理論が基になっています。トリック面ではsdjmalikやラルフ・ネイダーなど、海外マーチング・ドラマーの影響はかなり大きいと思います。
●どのようにして習得していったのでしょうか？
Koh 音楽大学時代はさまざまな先生に師事して打楽器全般の勉強をしていましたが、マーチング・ドラムに関しては前述の大窪氏にも直接師事したことはなく、ほぼ独学です。まだYouTubeが今ほどメジャーではなかった時代から動画を漁っては練習に活用し、教則本やDVDなどを駆使してルーディメンツを習得しました。トリックに関しても、同じく独学です。今でもそうですが、国内外問わずいろんなドラマーの映像を見てマネしまくっています（笑）。中学時代は『ブラスト！』や『ドラムライン』のDVDを何度も巻き戻して、トリックの研究をしていましたね。
●“フリースタイルドラマー”として、本格的に活動していこうと決めたターニング・ポイントは？
Koh 音大卒業後、地元の仲間と共に“VaNiLLa”というチームを立ち上げたときから、フリースタイルドラマーとしてやっています。現在、チームは活動休止中ですが、昨年9月からソロ・ドラマーとして活動しています。 今は、Zoomを使用したリモート・ドラム・レッスンやっていて、スティックトリックを中心に、ハンド・テクニックやルーディメンツなどを教えたりもしています。老若男女、アマチュアからプロまでさまざまな生徒さんが習ってますので、興味のある方はぜひ！［Kohへのレッスン依頼は、TwitterのDMやメール（freestyledrummerkoh@gmail.com）にて受付中］
●YouTubeなどのSNSではスティックトリック動画を中心に、圧巻のパフォーマンスを披露されていますが、プレイの中でも注目してほしいポイントは？
Koh 僕が特にこだわっている点として“音ハメ”があります。マーチング・ドラムはリズム楽器でありながら、ある種のウワモノのような役割も果たすことができるので、メロディのリズムをなぞったり、ラップと完全ユニゾンしたりといった面白いアプローチが可能なのです。僕の動画はついトリックだけに目が行きがちな部分はあるのですが、実は音にもめちゃくちゃこだわって作っているので、そこにも注目していただきたいです。
●現在愛用している機材を教えてください。
Koh 動画でも度々登場していますが、大分県のTYTワークスという企業から提供いただいたドラム・パッドを現在愛用しております。まだ試作品なのですが、独自に改造を施し、スナッピー・サウンドが鳴るようにしています。
●スティックトリック・パフォーマンスで、Kohさんが大事にしていることは何ですか？
Koh “好奇心を止めないこと”ですかね。トリック＝技ですから、コンビネーションとかフィニッシュとかもあって、そういうのって全男の子の憧れだと思うんですよ。常に新しい技を生み出していくには、好奇心を止めず、少年の心を持ち続けることが大事かなと思ってます。
●今後は“フリースタイルドラマー”として、どのようなことに挑戦していきたいですか？
Koh 音楽に興味や知識がない人でも面白さを伝えやすいスティックトリックを通して、もっと世間に“フリースタイルドラム”を広めていきたいですね。“フリースタイルドラム”をもっと世に普及させて、いつかバトルの大会をやってみたいです。ダンス・バトルや、ラップ・バトルのような、ストリート・カルチャーのひとつとして認知されてほしいなと思ってます。
Kohが伝授する“超人的スティックトリックの極意”は
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本誌では、シングル・ストロークの安定を目的とした基本エクササイズの他、バックスティックを駆使したパターンまでをも紹介。付録DLコードで視聴できるインパクト抜群のスティックトリック・パフォーマンスも必見です！
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◎Profile
コウ：フリースタイルドラマー。ドラム・スティックを回し、投げ、飛ばし、弾き、捻り、舞う。それらのテクニックを高次元のルーディメンツに織り交ぜ、視覚・聴覚共に魅了していく。ドラム演奏の新たな形を“フリースタイルドラム”と名づけて活動。2020年、”自称スティック回し日本一のドラマー”動画シリーズがTwitter／TikTokをはじめSNSでバズり、フォロワー急増中。
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