PLAYER
UP
DM Debut – Jackson[Ryu Matsuyama]
- Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine
本誌初登場のドラマーを紹介していく連載“DM Debut”。リズム&ドラム・マガジン20年7月号では、日本の音楽シーンを彩る新鋭ドラマー4人にインタビュー。ここでは、イタリア出身のRyu(p、vo)が率いるバンド、Ryu Matsuyamaのドラム=Jacksonの取材の番外編をお届け! Web版のこちらではレコーディングでも使用した機材や、彼の愛器についても紹介!
新作『Borderland』でこだわった
サウンドを実現した機材
●Ryu Matsuyamaの新作『Borderland』のレコーディングで使用した機材を教えてください。
○2006年製のDW コレクターズ・シリーズで、22″BD、10″TT、12″TT、14″FT、16″FTのセットです。“マッカーサー・エボニー・エクゾチック”カバリングの薄めのVLTシェルにゴールド・パーツという美しい見た目と、明るくオールマイティなサウンド・キャラクターが気に入っています。Ryu Matsuyamaの新作に収録されているほぼすべての楽曲のレコーディングで使用しましたね。タム類はドラムテックの三原(重夫)さんの助言のもと、はっきりさせるサウンドをねらって、ピンストライプを張ったり、楽曲によってはラック・タムのみコーテッドを張ったりして、役割をより差別化したりしました。
●スネア・ドラムはさまざまな種類のものを使用したそうですが、楽曲ごとにどのように使い分けましたか?
○今回メインで使用したスネアは14″×5″のDW製のメイプル・シェルをブラスでサンドイッチした重たいEdgeシリーズです。レコーディングは基本このスネアを使っています。他にも、その曲でねらっているサウンドに近づけるために、ドラムテックの三原さんが所有しているパールのブロンズ・スネアや、ラディックのLM402などもお借りしました。「Boy」という曲のみ、ソナーの口径13″のジョジョ・メイヤー・シグネチャーを使って。27プライという極厚シェルの個性を引き出して、硬い音を録りました。
●チューニングやミュートの仕方にルーティンはありますか?
○レコーディング前にシェルのパーツを増し締めしたり、ドライヤーの風を当てて乾かします。楽曲のキーによってチューニングを変えたいときには、タム類につけるガムテープを細長く丸めたり、ガムテープとティッシュでミュートを強めにしたりもします。スネアはノー・ミュートの場合もあれば、欲しいサウンドに応じてリング・ミュートや半分に折ったマイクロファイバーの楽器用クロスをクリップでリムに挟んで調節しています。
●シンバルもいろいろなものを使用していますよね? こだわりが垣間見えます。
○基本的には薄くて、レスポンスが良く、倍音やサステインが豊かで、スモーキーで、ピッチのが低いものが好きなんです。今回は全体的に落ち着いた楽曲が多かったので、トラッシーでダークな大口径シンバルを使いました。ジルジャンをメインに使用していて、廃盤になってしまったRe-Mixシリーズのハイハットや、大学時代にジルジャンの工場見学に参加した際にくじで当選して、社長のクレイギーさんから直接いただいたプロトタイプのバウンス・ライド、師匠である平井直樹さんからお借りしたAzukaシリーズのティンバル・シンバルも使っています。
Jacksonの愛器
DW Collector’s Seriesのキットを紹介!
▼Ryu Matsuyamaのレコーディングでも使用したJacksonの愛器は、DW コレクターズ・シリーズで、1バス+2タム+2フロアで構成されたVLTシェルのキット(22″BD、10″TT、12″TT、14″FT、16″FT)。“マッカーサー・エボニー・エクゾチック”カバリングがクールだ。
リズム&ドラム・マガジン20年7月号
本誌ではリズム&ドラム・マガジン20年7月号では引き続き、本誌では、彼の音楽ルーツや新作『Borderland』でのプレイのこだわりなど多岐に渡って語ってもらっている。さらに、自身のプレイ・スタイルを形成した作品3枚を紹介する“Drumming Roots”や、お気に入りのアイテムを紹介する“My Special One”などのコーナーで、さまざまな情報をお届け! 詳しくは本誌をチェック!