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Archive Interview−チャーリー・ワッツ−
- Interview:Kayoko Takahashi
ドラムをプレイする上で一番難しいのが
ドラムという楽器からサウンドを出すことなんだ
8月24日に急逝したザ・ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツ。偉大なるドラマーの突然の訃報に世界が悲しみに包まれている。ドラマガWebでは彼が残した功績を振り返るべく、『from one charlie』を引っ提げた1991年の来日時に実現した独占インタビューの一部を抜粋して掲載。短い言葉の中にも彼らしさが滲み出ている。
●ジャズとロックではドラミングのアプローチはどう違いますか?
チャーリー 基本的には同じじゃない? ビートがあって、プレイしていくのに変わりはない。ただジャズと呼ばれるビートがあって、それは緩やかだったりする。ジャズのリズムの方が微妙なものを含んでいると、一般的には言えるかもしれない。でも結局はその人がどうプレイするかにかかっている。僕にとってはフィーリングは同じだ。まぁ下手な人がジャズをやる方が悲惨ではある。スティーヴ・ガッドだったら、ロックをやっても実に優れているが。あとは個人差だけだと思うよ。
●あなたの場合、どちらのビートもシンプルで効果的にプレイしていますが?
チャーリー 自分ではわかんないけど。良いミュージシャンじゃないから、少しだけプレイするんだ。
●その少しの音に味わいがあるのですが……。今、練習するとしたら、どんなことを?
チャーリー しない。スティックで、エボニーでできた20〜30年前のミリタリー・ドラムを叩くくらい。あ、でも若い人、いや、歳を取った人でも良いんだが、ドラムを始めたばかりの人は特に、パッドや足を叩いて練習しないでほしい。ドラムをプレイする上で一番難しいのが、ドラムという楽器からサウンドを出すことなんだ。とてもノイジーなアコースティック楽器だろう?
●ドラムは誰が叩こうととりあえず音は出ますが、良い音を出すとなると確かに難しいと思います。
チャーリー でも叩く人によって違う音が出るから良いんだ。ドラムに限らずパーソナルな(個性のある)ものにすることが重要だ。僕もパーソナルなプレイヤーが好きだし、デイヴ・タフとかが好きなのは、パーソナルなプレイをしているからだ。