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    ガンズ・アンド・ローゼズ来日記念! スティーヴン・アドラー【Archive Interview】

    • Interpretation & Translation:Mariko Kawahara
    • Photo:Takashi Yashima
    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine

    1987年にリリースされたデビュー・アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』で、いきなり時代の寵児となったガンズ・アンド・ローゼズ。彼らが5年ぶりの来日公演を実施! ここでは、ガンズのオリジナル・メンバーで、躍動的なロック・グルーヴを繰り広げたスティーヴン・アドラーが、自身のバンド、Adlerを率いて来日した2013年のインタビューを再編集して公開! 

    自分が何をやっているのか、相変わらずさっぱりわからないけど
    ただドラムがすごく楽しいんだよ

    ●ドラムを始めたきっかけは?

    スティーヴン クイーンやキッスがきっかけだったね。キッスはイギリスのバンドじゃないけど、彼らの影響で俺は11歳のときドラムを叩くようになったんだ。ピーター・クリスやロジャー・テイラーを聴いてね。俺にとって最初のドラムは、母親のタッパーだった。本物のドラム・セットを買ったのは、中学になってからだね。それを家に持って帰ったら、両親に反対されたよ。今じゃ“うちの息子はうまいんだ”なんて言ってるけどね。スラッシュと会ったのは12歳のときで、その頃から(ロック・スターになる)夢があった。そして、俺達はそれを実現させたんだ。あとは周知の通りさ!

    ●そのスラッシュとも、2012年にガンズ・アンド・ローゼズ(GN’R)がロックの殿堂入りした際の式典で共演しましたが、久々のGN’Rでの演奏はいかがでしたか?

    スティーヴン 素晴らしかったよ。ちなみに彼は(Adlerの)『Back From The Dead』にも参加している。M6「Just Don’t Ask」でギター・ソロを弾いてるんだ。あれはスペシャルだった。(式典にオリジナル・メンバーの)アクセル(ローズ)とイジー(ストラドリン)も出席していたら良かったんだけどね。残念だよ。2人が来なかったのは、とても失礼なことだと思う。俺達は名誉を与えられたんだ。なのに出席してファンに対してリスペクトの気持ちを表さないなんてさ。でもスラッシュとダフ(マッケイガン)がいたからいいんだ。スラッシュは俺にとって大切な存在なんだよ。

    ●ハイハットとカウベルのボース打ちで“ワン・ツー・スリー・フォー”と曲のカウントをするのがあなたのトレードマークの1つだと思いますが、これはいつ頃から始めましたか?

    スティーヴン 最初っからだよ。あのカウベル が俺のトレードマークなんだ。カウベルをもっと使おう! カウベルを使うと、素晴らしいリズム・サウンドになるんだ。GN’R時代の俺のドラム・セットは、バスドラ、スネア、フロア・タム、ライド・シンバル、クラッシュ・シンバル、ハイハット、そしてカウベルだった。ドラム・セットがすごく小さかった(多点ではなかった)んで、カウベルを使い始めたんだ。ハイハットとライドだけじゃない、違ったリズム・サウンドにしたかったんだよ。

    ●昔からドラム・セットの構成は基本的にシンプルでしたね。

    スティーヴン そう、シンプルにしておきたいんだ。(ドラムの点数が)少ない方がより効果的なのさ。俺はニール・パート・タイプのドラマーじゃない。単なるスウィング野郎さ。だから、バスドラとスネアがあればそれでいいんだ。手を叩いて、足でリズムを刻んでいればいい。それがドラマーの役割だよ。常にスウィングさせたいから、スネアは一定のリズムを保って、バスドラをスウィングさせるんだ。至ってシンプルだけど、すごく効果的なんだよ。

    ●基本はシンプルなドラミングかと思いますが、メロディを感じさせるリズムにワクワクします。

    スティーヴン バスドラのせいだよ。バスドラは(メトロノームのようにカッチリと)“ワン・ツー〜”で叩いているんじゃない。スウィングさせるのが好きなんだ。すべてはバスドラなんだよ。ベーシストが“ブンブブブブン〜”と弾いたら、俺も同じことをやる。それがとても大事なんだ。俺はウォーキング・ベースが好きなんだよ。シンプルに刻むだけのベースは好きじゃない。

    ●ダフも“ウォーキング”するタイプのベーシストでしたね。

    スティーヴン ダフはもともとギタリストだから、まるでギターのようにベースを弾くんだ。俺はそういうベース・プレイが好きなんだよ。スウィングするんだもの。俺とダフはとても相性が良かったんだ。俺はダフの人生、特に彼の音楽人生に関われたことを誇りに思っている。昔は、よく彼と2人だけでリハーサルしたものさ。他のメンバー抜きで、2人だけでプレイしていたから、俺達はすごくタイトなリズム体になっていった。俺には彼のやることがわかったし、彼には俺のやることがわかった。

    ●最後にとても抽象的な質問です。なぜドラムを続けていると思いますか?

    スティーヴン 大好きだからさ。自分が何をやっているのか、相変わらずさっぱりわからないけど、ただドラムがすごく楽しいんだよ。ありがたいことに、プレイするチャンスも与えられている。だからそれを生かして、行けるところまで行きたいんだ。世界中を回りたい。月でプレイできたら、なおさら素晴らしい!