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    【Archive Interview】レオン“エンドゥグ”チャンスラー

    • Translation:Miki Nakayama/Interpretation:Martin Willweber

    新しいことにチャレンジしようとする
    姿勢の基盤となっているのは
    やはりマイルスとの活動だね

    誰かと共演するときのアプローチの
    仕方を教えてくれたのがハービーだ

    ●若い頃にマイルスと出会っていますね。
    レオン 19歳のときだね。

    ●彼と始めてプレイしたとき、自分の実力に自信はありましたか
    レオン 僕はマイルスとプレイするまで、本当に自信を持っていた。でも自分のやるべきことがわかったのはそのあとで、マイルスとプレイしたときは、音楽がどの方向に進むのかほとんど理解していなかった。マイルスは新しいフュージョンのスタイルを作ろうとしていたからね。普通だったら、毎日やっている慣れたプレイをする方が気持ち良くプレイできるものだろう。しかしマイルスは実験し続けていたんだ。僕は若かったし、あまり経験もなかったから、マイルスと一緒にプレイすることで自分の人生まで変わってしまうとは思ってなかった。僕がやろうとしていたのは、自分の理解できないものを作る作業に加わって、その一部になろうということだったから、ちょっと疑問を持ってしまうとすぐに自身を失いかけていたんだ。今思うとあの時期に自信を築き上げていったんだけど、活動が終わるまでそのことに気づかなかった。その後、他のミュージシャンと活動するようになって、マイルスがすでに原形を作り上げていた新しい音楽の方向やスタイル、レベルに到達しようと努力し始めたときに、再び自信を取り戻したんだ。ジョージ・デュークやウェザー・リポートと共に、後の若いドラマー達が手本にするようなインストゥルメンタル・ミュージックの原形――革新的なアプローチを始めたんだ。サンタナでプレイしていたときもそうだったね。でもマイルスのときには自信のレベルははるかに低かった。僕にとってマイルス・デイヴィスというミュージシャンは、同じステージに立つことができて、喜びや満足、恩恵を分かち合えたという点で最も偉大だった。今でも新しいことにチャレンジしようとする姿勢の基盤となっているのは、やはりマイルスとの活動だね。

    ●その後共演した中で印象深い人は?
    レオン
     ハービー・ハンコックだね。誰かと共演するときのアプローチの仕方を教えてくれたのがハービーだ。一番好きなピアニストだね。彼と一緒にプレイすると常に何かを学ぶことができる。それからジョージ・デュークと活動した8~9年間の経験も印象深いね。当時はもちろんフュージョンの時代だったんだけど、ジョージと僕はファンクとジャズの橋渡しをして、それと当時のフュージョンを合体させた。タイムをずらしてみたり、拍を縮めたり伸ばしたり、ルーズで自由でありながら、同時にファンキーな音楽を作ったんだ。ファンキーなアプローチだけど、そこにはジャズ・ミュージシャンとしての知識もある。それともう1人、パトリース・ラッシェン。この3人をインストゥルメンタルの方面での特別な人とするならば、サンタナは違った方面で、僕のプレイにパワーとスピード、ロックとラテンとジャズを合体させるというコンセプトなどの新しい要素を与えてくれた。