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Archive Interview−ジンジャー・ベイカー
- Interview:Seiji Murata/Translation & Interpretation:Akira Sakamoto/Photo:Eiji Kikuchi
フィールがすべてさ、内面から湧き上がるものを音にする
●あなたがダブル・ベース・ドラムをお使いだったのは、具体的にどんなドラマーの影響ですか?
GB ルイ・ベルソン、サム・ウッドヤードなど、デューク・エリントンのバンドで演奏したドラマーはみんな、俺が始める何百年も前からダブル・ベース・ドラムでやっていたからね(笑)。
●中でも一番影響を受けたのは誰ですか?
GB ルイ・ベルソンが大好きだけれど、サム・ウッドヤードや、その他の人達もみんな優れたプレイヤーだったよ。
●でも、あなたのダブル・ベース・ドラムの使い方は、そういった人達とはまた違っていましたよね?
GB 俺は誰の真似をしたこともない。“(胸を叩いて)ここ”で感じたことをやってきただけさ。
●独自の奏法を見つけるために、何か特別な練習はしていましたか。あなたの教則ビデオ『マスター・ドラム・テクニック』(1994年発表)では、ご自身のテクニックについて非常に数学的というか、理論的に説明なさっていますが。
GB 一度理解してしまったことについて数学的に説明するのは簡単だからね。でも、“フィール”というのは誰もが持っているというわけじゃない。天から与えられたもので、学んで身につけられるようなものじゃないんだ。
●つまり、あなたのドラミングは、理論的な部分とフィールの部分の組み合わせということでしょうか?
GB “フィール”がすべてさ。俺はミュージシャンだから、譜面を書くことはできる。以前はビッグ・バンドのアレンジもたくさん書いたから、書くべきことは書いているけれど、練習はもう何年もしていない。練習する必要もないしね。
●ひたすら“感じて”、“演奏するだけ”ということですか?
GB 演奏は周りの音を聴きながらやっている。自分も含めた全員の演奏をね。音楽の全体像を意識しているんだ。意識的に何かをやるんじゃなく、反応している。内面から湧き上がってくるものを音にしているんだ。