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日本を代表するセッション・ドラマーの60歳を祝福! ファン&弟子達がお祝いした村石雅行還暦祭り【Report】

  • Photo:Akito Takegawa

後進の成長と共に
まだまだ負けていられない
気概を感じた圧倒的パフォーマンス

続いては機材変遷にも触れられ、昔から個性的なセットを使用していたことについて、ここでもやはり自分のスタイル、オンリーワンを目指して機材もカスタムしていたと語られた。かつては2タムを標準としていた村石だが、近年は1タム1フロアを貫いており、これはローディーが現場に間に合わず1人で機材を準備した際、あまりの重さに“点数を減らそう(笑)”と思ったことがきっかけだったそうで、その後の手癖にも変化をもたらし、今では感謝しているそうだ。その他にも、当時先端を行っていたオンリーワン・スペックなシグネチャー・スネアやトレードマークとなっているセイビアンのロクタゴン、現在メインとして使用しているメイプル・ガムのキットなど、機材のこだわりについてたっぷりと語ってくれた。

そんな機材談義を経て演奏されたのはスキマスイッチの「クライマル」。これまでの話を聞いてから奏でられるバラードは感慨もひとしおで、3点セットならではのアプローチや中 孝介「花」で語られていた熱量のつけ方がいっそう感じられるパフォーマンスであった。

祭りも終盤に差し掛かり、ここで村石の弟子&道場生達からのビデオ・メッセージが放映された。MASUKE、山崎 慶、森 瑞希、エノマサフミという、日本の音楽シーンにかかすことのできない4人からのお祝いに、村石は1人ずつ丁寧に感想を述べ、思い出話に花を咲かせていた。普通こういった場面では照れてイジったりしてしまうこともあると思うのだが、若手からベテランまで歳の差も関係なく、しっかりと感謝を述べて思い出を語る姿が印象的で、こういった人柄も村石の弟子になりたいドラマーが絶えない理由の1つなのだと感じた。

最後はつい最近道場の課題曲にしたものの「この曲難しいな(笑)」と思ったファット・ファンクションの「You Want It All」をドラム・ソロからつなげて披露。ブラスも入った華やかかつファンキーなナンバーで、これまでとはまた違ったテイスト。ブレイクのフィルや後半で畳み掛けるように“ぶっ叩く”プレイは圧倒的で、テクニックにおいても若い世代にはまったく負けないという気概を感じたと同時に、これからもまだまだ“日本を代表するセッション・ドラマー”として活躍してくれる安心感をも与えてくれるパフォーマンスであった。村石さん、あらためて還暦おめでとうございます! これからもお元気でドラムを叩き続けてください!