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    4年越しに実現! アニカ・ニルスの来日初となるドラム・クリニックはトーク&パフォーマンス大充実!!【Report】

    • Report:Hiroshi Matsuo Photo:Tetsuro Sato Special Thanks:Drum Station Revole Akihabara

    テクニカル面を磨く
    ルーティン・エクササイズも伝授!
    初クリニックにして最高のクリニック

    会場のみんなで手拍子を使ったリズム練習をする場面などもあり、和やかな雰囲気になったところで再び楽曲を用いたデモンストレーション。その後、最後の質疑応答のコーナーへ。ルーディメンツについての質問も出たが、アニカ自身はルーディメンツをドラミング中でそれほど活用しているわけでないという意外な発見もあった。反面、身体の使い方や椅子の高さについてはかなり意識しているようだった。

    今後のドラム業界、音楽シーンについての質問もあったが、中でも興味深かったのは、奇数フレーズや変拍子に魅了されたきっかけに関する質問。実は、ジャム・セッションに行った際にとあるベーシストの先生から、そのようなグルーヴを要求されたことがきっかけだったようだ。それを機に5連符や7連符などを用いた演奏プロジェクトを自ら立ち上げ徐々に興味を持ち、のめり込んでいったという。研究を始めた当初はまったくそのようなリズムへの造詣がなく大変だったという話だったり、いかにして今のアニカのドラミング・スタイルが形成されたのかという歴史について知ることができたのは良かった。

    最後にテクニカル面での印象的なレクチャーがあったので、それを紹介してこのレポートを締め括りたいと思う。良い音を出すための心がけについて、アニカはある1つのトレーニング方法を提案した。その名も“ミキシングデスク・エクササイズ”だ。良い音を出すためには、まず自分がどんな音を出したいかを明確にイメージし練習することが大切ということだが、その中でもダイナミクス・コントロールは必要不可欠な要素であり、アニカは、まるで自分がミキサーをいじっているかのように出音をコントロールできるような練習を、普段から行っているらしい。

    例えば、ハイハットのみボリュームを落としながら、キックとスネアでプッシュするというようなグルーヴ・トレーニングだったり、ハイハットとスネアのベロシティは一定に保ちながら、キックのボリュームのみを小さくしたり大きくしたりする練習だったりと、実演を交えながら解説してくれた。

    • クリニック中、アニカが座るドラム・セット横には足元を映し出すモニターがスタンバイ。

    質疑応答を終えたあとは、最後のデモンストレーションへ。メトリック・モジュレーションを多用した楽曲、そして彼女が率いるバンド(Nevell:ネヴェル)の楽曲を演奏し、セミナーは終了。その後、自身のドラム・セットの紹介などを行い、大盛況の中で幕を閉じた。アニカ・ニルスというドラマーを知るには最高のドラム・セミナーだったと言える。