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4年越しに実現! アニカ・ニルスの来日初となるドラム・クリニックはトーク&パフォーマンス大充実!!【Report】

  • Report:Hiroshi Matsuo Photo:Tetsuro Sato Special Thanks:Drum Station Revole Akihabara

TAMA × Drumstation Presents
Anika Nilles Drum Clinic Tour 2024 in Tokyo

7月12日、TAMA×ドラムステーションpresentsによるアニカ・ニルスのドラム・クリニックが秋葉原CLUB GOODMANにて、かくも盛大に開催された。チケットは立ち見を含め全席ソールド・アウト。今世界で注目を浴びるドラマーの1人であり、日本では初となるドラム・クリニックということで、最先端のテクニックとサウンドを体感すべく、多くのドラマー達が会場に押し寄せた。

簡単な挨拶から始まり、まずはデモンストレーションとしてアニカ自身が用意した楽曲を数曲実演。卓越したテクニックとグルーヴを駆使しながら、次々と楽曲をプレイ。ピッチが違うスネア3台や、ポリリズムを駆使しながらのモダン・スタイルのドラム・パフォーマンスが、皆の心を惹きつけた。

その後、質疑応答のコーナーへ移行。テクニカルな面はもちろん、思考法についてもさまざまな質問が飛び交ったので、そのうちのいくつかを紹介したいと思う。まずはセッティングについて、タムの並びが順当ではなく、10インチと12インチが左右逆にセットされていることについて触れられた。アニカ曰く、この配置にすると自然と独特なフレーズが生まれるということだ。次に、ウォーミング・アップについての質問。ライヴ前とそうでないときでは異なるようで、ライヴ直前はシンプルにパラディドルなどで身体を温める程度に留め、普段は好きな楽曲を聴きながら右手/右足を交互に連打したりと、コンビネーション・フレーズを中心に行っているようだった。この流れから、手足の連動についての質問が続く。

ここでアニカの真骨頂とも言えるグルーピングについての解説が行われた。今回紹介されたのは、16分音符を3や5、あるいは7つずつの固まりで分割して捉え、それぞれのグルーピングの数にフレーズを当てはめていく練習だ。例えば5であれば、足・手・手・手・手というように手足に分割し、さまざまなフレーズを構築していく。アニカはメロディを作るイメージで、その場でグルーピングを組み合わせてプレイしているようだ。

フレーズ構築の際に心がけている部分として印象的だったのがカウントだ。「ワン、ツー、スリー、フォー」と口でカウントしながら練習することで、常に1拍目がどこにあるのかを意識するようにしているらしい。「ダッ、ダッ、ダッ、ダッ」とパルスのみを意識したカウントも実演していた。このようにカウントを行いながらの練習は、インナー・メトロノームを鍛えることにつながると同時に、演奏中の脳のスペースを増やす訓練にもなるということだ。他の演者の音にも注目できる余裕が生まれるということで、非常に有意義なトレーニングだと感じた。

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