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和楽器バンド山葵の『ドラムにこじつけッ!』 第21回「ドラムとTシャツ」
ドラムとTシャツ
はいどーも、私、脱いでもすごいんです、山葵です。
先日10月10日の“ドラムの日”を盛り上げる一環で、ドラマガさんとのオリジナルコラボTシャツを製作させていただきました!
そうそうたる顔ぶれの中、最高にゆるいTシャツができたんじゃないかと自負しております。ありがとうございます。
普段使いに良し、ステージ衣装に良し、寝巻きに良しなアイテムですが、せっかくなんで日常生活の中においてさまざまな場面での使用例を考えてみました。
【シチュエーションその1】
いつも同じジムの同時刻に通う、名前も知らないあの子。
艶やかな黒髪のポニーテールを揺らし、額に汗を滲ませながらひたむきにトレーニングするその姿。
それを見る度、僕の胸がキュッと締めつけられる。
お互い軽く会釈はするけど、会話らしい会話はしたことがない。
もっと話がしたいのに、内気な僕からはなんて声をかけたらいいのかわからない。
何を隠そう、普段から僕は筋肉としか会話をしないのだ。
それでも彼女の気を少しでも惹こうと、今日は思いきって「ボクはドラマー」Tシャツを着てみた。
チェストプレスを3セットこなした後にレストしていると、向こうからおもむろに歩いてきた彼女が僕に話しかけてきた。
「あの…そのTシャツかわいいですね。」
「え、あ、ありがとうございます。」
「ドラムになっちゃってる、かわいい。ドラムやられてるんですか?」
「あ、はい、そうなんです。」
「実は私も高校生の時ドラムに触ったことがあって、そのときは手足が同時に動いちゃって、自分センスないんだなーって思って諦めました。アハハ。」
「そ、そうなんですね、最初は手足をバラバラに動かすのが難しいですよね。それにしてもこの時間によくトレーニングされてますね。」
「そうですね、普段デスクワークで体を動かす機会が少ないので、このままじゃダメだと思って先月から通い始めてみました。でもマシンの使い方とかがよく分からなくて……よかったら、あの太ももを鍛えるマシーンの使い方を教えていただけませんか?」
「は、はい!もちろんっ!」
───恋のパーソナルトレーニングが、いま始まる……!
【シチュエーションその2】
ここは戦場。
塹壕から見上げた空には鳴り止まない銃声や轟音と共に絶え間なく砲弾が飛び交う。
「クソッ、ここは地獄だぜ。」
そんなありきたりな台詞を吐きながら俺の隣で小銃に弾薬を装填しているのが、戦友のジャックだ。
「なぁ、俺、この戦争が終わったら結婚するんだ───」
こんなときに何を言い出すのかと思い、俺は眉間に寄せながら一つため息を吐く。
一喝でも入れてやろうかと思い、ジャックの方に首を向けると、
───相棒は真っ赤に染まる横腹を押さえながら倒れ込んでいた。
どうやら流れ弾が当たったようだ。
「おい、しっかりしろ!ジャック‼︎」
「へへっ、ヘマっちまったぜ…俺はもうダメだ。」
「何を言っている、意識を保つんだ!」
不幸なことに衛生兵は既にやられちまっている。手厚い手当は望めない。
俺は急いで着ていた「ボクはドラマー」Tシャツを脱ぎ、歯でそれを噛みちぎった。
細長い布切れになったTシャツだったものを、慌てた手つきでジャックの腹部に巻きつける。
巻き終えたと同時に、白かったTシャツは無情にも徐々に赤く染まっていく。傷はかなり深いようだ。
血の気が引き青くなっていく唇を震わせ、ジャックは呟く。
「なぁ、お前には生き別れの兄がいるんだろ……」
「ジャック、もう喋るな!」
「あ、兄貴らしいことを何もしてやれなくてごめんな……」
「え……」
何を言っているんだ。
「ど、どういうことだ、ジャック、ジャックー!」
───果たして、ジャック達の運命や如何に⁈
……とまぁこんな感じで日常のさまざまなシーンに溶け込む1枚となっておりますので、ぜひみなさんお買い求めの上いっぱい愛用してね!
ではまた!
YouTube『ワサビちゃんねる』では、Tシャツのデザインが出来上がるまでの過程も公開中!
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