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    岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” #3 – キューバ系のリズム③

    世界中のリズムを研究する名手=岩瀬立飛が、各国のリズムをモチーフとしたパターンをドラム・セットで演奏&解説した、ドラマガ2011年10月号の特集“世界のリズム”。ドラマガ Webではその一部を、演奏音源つきで地域ごとに紹介していく! 今回も「キューバ系のリズム」を深掘り! ラテン・ジャズからマンボのリズムまで4種類を解説!
    “キューバ系のリズム①”“キューバ系のリズム②”もおさらいしておこう。

    # キューバ系のリズム③

    キューバ系リズム その6マンボ②(カンパナ)

    もうひと盛り上がりするとき(モントゥーノ=ヤマ場)とか、雰囲気を変えるときに出てくる別のカウベル・パターンです。パルスが強調され、イン2の感じが強くなってきます。これはソンゴ(事項をチェック!)っぽいとも言えます。

    ▲Ex-1/0:12〜
    ▲Ex-2/0:21〜
    ▲Ex-3/0:31〜

    よく“このクラーベは、2-3か3-2か、どちらだ?”という話になりますが、クラーベの中にキーになる部分が2箇所あります。それは“2の最初の音”と“3の2番目”です。ここで音が重複することが多くなり、2-3か3-2か見つけやすくなります。

    ▼Ex-1〜3までまとめて聴いてみよう!

    ▲“カンパナ”をドラム・セットで叩くとこうなる!

    キューバ系リズム その7ソンゴ

    本来、ソンゴとはスタイルの名前で、ジャズ・カントリーの“関西風”などとニュアンスは同じです。なのでパターンを取り出せば、10種類はすぐ出てきます。よくあるのは、イン2がより強力、シンプル、ストレート……といったところでしょうか。

    ▲Ex-4/0:00〜
    ▲Ex-5/0:11〜

    結果として、16ビート・ファンクにもノリが近く、金物の4分打ち中心です。録音したトラックでは、アメリカ風味(Ex-4)とキューバ風味(Ex-5)をお楽しみください。

    ▼Ex-4〜5までまとめて聴いてみよう!

    ▲“ソンゴ”をドラム・セットで叩くとこうなる!

    キューバ系リズム その8ラテン・ジャズ

    ラテン・ジャズでは、ノリや感じが良ければ何が起ころうとOKです。例えば、歌手がいれば歌詞によっても曲はどんどん変化していきます。それはバンド全員に変化が起こっているのと同じ。パターンに徹するというのは不自由な考え方です。以下の譜例はあくまで参考ということで……。

    ▲Ex-6/0:00〜

    キューバ系リズム その9ボンバ

    ボンバはプエルトリコ発祥のリズムです。チンバ(キューバ音楽)における最高の盛り上がり部分(モントゥーノと同じ)でこれになったりします。プエルトリコでのボンバはけっこう複雑で、いまだに全部把握しきれていませんが、ストレートなノリなので、すぐに馴染めます。

    ▲基本パターン/0:05〜

    基本パターン(Ex-7、8)はインワード・パラディドルと同じですが、他のパートはまったく無関係のような音型もあり、何をやっても良かったりします。

    ▲Ex-9/0:25〜
    ▲Ex-10/0:35〜
    ▲Ex-11/0:44〜
    ▲Ex-12/0:54〜

    実際チンバの中ではドラム・フィルだらけになったり、ファンク・ビートにもなっています。クラーベはないようですが、どうもあるような気もします。バス・ドラムとスネアはクラーベのいないところに音を置くのが主流なので、クラーベを無視しているようにも聴こえます。ハイハットの“チッチキ”は3連符との中間で、しかもかなりレイドバックしたもの。

    ▼Ex-7〜12までまとめて聴いてみよう!

    ▲“ボンバ”をドラム・セットで叩くとこうなる!

    岩瀬立飛がドラム・セットで叩く“世界のリズム” – BACK NUMBER

    #1:キューバ系のリズム①

    #2:キューバ系のリズム②

    ◎Profile
    岩瀬立飛(Tappi Iwase):愛知県出身。14歳でドラムを始め、日野元彦、坂田 稔に師事。高校では吹奏楽部でパーカッションを担当。その後、1988年に渡米。ピーター・アースキンやデヴィッド・ガリバルディに教えを受けながら、現地でライヴ、レコーディング活動を展開。帰国後、現在に至るまで自身のバンドである。Nervioや宴での活動の他、エリック宮城バンドをはじめ、さまざまなセッションで活躍中。

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