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    メタリカ6年半ぶり新作『72シーズンズ』発売記念! ラーズ・ウルリッヒの“ヘヴィ・グルーヴ”に長谷川浩二が迫る!!

    • Photo:Takashi Yashima/P.G.BRUNELLI(Metallica)
    • Analysis:Kozy Hasegawa

    4月14日に6年半ぶりとなる待望のニュー・アルバム『72シーズンズ』をリリースするメタリカ。ラーズ・ウルリッヒのスピード感溢れるメタル・ドラミングは、結成40年を超えた本作でも健在だ。メタル・ファン待望の新作発売を記念し、2008年11月号のラーズ表紙特集より、長谷川浩二によるラーズ流メタル・ドラミング分析を再掲載! セッティング/フォーム/ハンド・モーション/フット・ワークという4つの項目から、唯一無二のスタイルに迫る!

    メタリカ『72シーズンズ』

    Part.1 Setting

    オーソドックスにセットされた
    TAMA STARCLASSIC MAPLE

    キットはTAMA Starclassic Mapleのツーバスで、ヘヴィ・ヒッターによく見られるオーソドックスな形です。椅子の高さは踏み込みに力を入れやすく、またヘヴィなサウンドを得やすい、床と太腿が平行になるぐらいの高さです。椅子とスネアまでの距離は意外と近い印象で、スネアはキックに少し乗る感じ。そのため身体がキックに近くなり膝の角度も90度以内にできるので、速いツーバスも踏みやすいと思われます。

    ハイハットは基本的にスティックのショルダー部で“ぶっ叩く”スタイルなので少し高め。スネアやタムの角度については、手首を使って叩くスタイルではないので、自分の方に向けて斜めな感じ。フロア・タムは低く、タムやスネアと違って角度はあまりつけていないようです。

    シンバルのセッティングは見た目も考慮してのことだと思いますが、フロントには置かず、左右に分けている感じ。どんなにアップ・テンポな曲でもアクセントとして叩くのに間に合う位置にセッティングされています。

    ラーズの愛用器はTAMA Starclassic Mapleのツーバス・セット。写真は、2008年当時のラーズが使っていたセットとほぼ同スペック。
    サイズは22″×16″(×2)、10″×8″TT、12″×10″TT、16″×14″FT、16″×16″FT。フィニッシュは“LU MAGNETIC ORANGE”。
    スネア・ドラムもTAMAで、本人のシグネチャー・モデル=LU1465N(14″×6.5″/スティール)。
    シンバルはジルジャンで、ライドの代わりにチャイナをセットしているのが特徴。
    スティックはアヘッドのシグネチャー・モデル(15mm×419mm)を使用。
    LU MAGNETIC ORANGEカラーのドラムを使用する2014年のラーズ

    Part.2 Form

    長年の経験で身についた
    綺麗で無理のないフォーム

    映像を見る限り、フォームはものすごく良いです。全然無理がなくて、長年叩き続けるうちに、自然と今の形に落ち着いたんじゃないでしょうか。

    叩いているときは、曲が曲なので、もちろん力は入っていますが、そうじゃないときは、身体に無理な力が入っていない。ああいう激しい楽曲なので筋肉痛とか多少はあると思いますが、今も叩き続けているということは、基本的なフォームが良いという証だと思います。

    長谷川が“すごく良い”と語るラーズの基本フォーム。無駄な力が入っていない、非常にリラックスした構え。椅子は低めで、座部に浅めに腰掛ける程度。前傾になって叩くことが多いためと思われる。
    2つのバス・ドラムの上にスネア・ドラムを乗せるようにセッティングしているので、身体とセットの距離が近いのも特徴的。

    フォームの特徴の1つは、左足の使い方で、ハイハット・ペダルにもフット・ペダルにも足を乗せず、地面に置いているところ。実際にマネしてみると、左足が自由に動かせるので、タイミングが取りやすい。これは、考えたというよりは、感覚的にやっているんじゃないでしょうか。

    あと、速い曲を叩くときに肩が前に出るのも特徴的。これはラーズのグリップ&ストロークとも深く関係しているのですが、あの奏法で速い曲を叩くなら、前傾にならざるを得ないという方が正しいと思います。力技ですからね(笑)。見ると間に合ってないところもあるのですが、強引にねじ伏せる。これがラーズ流ドラミングの基本です(笑)。

    左足は、ハイハット・ペダルにもフット・ペダルにも乗せず、地面に置き、自由に動かしてタイミングを図るラーズ。クリックを使わず、その瞬間に合うテンポを作り出す、彼ならではの足の使い方と言えるだろう。
    スラッシュ・ビートなどを叩くときは、肩を前に出し、上半身は前傾姿勢になる。身体と共に気持ちも“前傾”になることも、ラーズ流ドラミングを叩くポイントの1つ。

    昨年11月のライヴ映像。2:33からの数秒だが、ハイハット・ペダルに左足を置いていないことがわかるはず

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    グリップ、ストローク、チョーク奏法……
    ラーズ流ハンド・モーションに接近!