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    Drummer’s Disc Guide – June 2020

    – June 2020 –

    【A】=アルバム 【M】=ミニ・アルバム 【E】=EP 【V】=DVD、Blu-ray


    【A】ジョン・スコフィールド『スワロウ・テイルズ』

    d:ビル・スチュワート

    最高級の耳ざわりの良さと同時に
    非現実的な音楽アートが完全に同居している大傑作

    気がついたら何とNYのブルーノートでのライヴ・アルバム『アンルート』以来13年ぶりのこの鉄壁トリオの作品。それもジョン・スコフィールドのリーダー作としては初のECMレーベルから、しかもバークリー音楽院で師弟関係として出会ってからおよそ半世紀を経て、今年80歳になるスティーヴ・スワロウが作曲したオリジナル作品だけが収録されている。そして共演歴30年の盟友……いつ聴いても観ても魔術師としか思えない芸術家=ビル・スチュワート……とまさに夢を見てるかのような、今の世界的な大惨事を肌で感じている我々にとっては、本当に心が洗われる気持ちになる最高級の耳ざわりの良さ、と同時に非現実的な音楽アートが完全に同居している大傑作。(沼澤 尚/シアターブルック、ブルーズ・ザ・ブッチャー、他)

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】ジョン・スコフィールド(g)、ビル・スチュワート(d)、スティーヴ・スワロウ(b)

    発売元:ユニバーサル 品番:UCCE-1183 本体価格:¥2,500 発売日:2020.5.29

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    【A】DIMENSION 『31』

    d:則竹裕之

    リラックスの極みから湧き出るような
    リズムの圧や循環力にそこはかとない深みを感じる

    1992年のデビュー以来、日本のインスト界を牽引し続けてきたDIMENSIONの31枚目となるアルバム。今作からは増崎孝司(g)と勝田一樹(sax)の2人組としてリスタートを切るということで、さらなる飛躍を誓うかのような、熱量の高いファンキーなサウンドに揺さぶられます。その濃密で艶やかな演奏をガッチリ支えるのは、長年活動を共にする則竹裕之。すべてのフレーズが、アンサンブルに溶け込んでいながらも、コントラスト豊かに浮き立つプレイに感動! 細部までこだわりが感じられる個々のパーツの音色。それがまとまってセットで奏でられたときの“和”の響き。そしてリラックスの極みから湧き出るようなリズムの圧や循環力に、そこはかとない深みを感じます。(長野祐亮)

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】増崎孝司(g)、勝⽥⼀樹(sax)、則竹裕之(d)、川崎哲平/二家本亮介(b)、安部 潤/大島こうすけ(key、syn)

    発売元:ビーイング 品番:ZACL-9117 本体価格:¥3,000 発売日:2020.5.6

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    【A】ONJQ(大友良英ニュージャズクインテット) 『Hat and Beard』

    d:芳垣安洋

    インテリジェンスに富んだドラマーが繰り出す
    シャープで品のあるショットは本作でも効果絶大

    朝ドラ“あまちゃん”のテーマ曲の作曲で知名度を上げた大友良英の、アヴァンギャルドなギタリストとしてのホーム・グラウンドとなる新しいクインテットのアルバム。オリジナルに加え、E・ドルフィやO・コールマンなどの楽曲に題材を求めてはいるが、フリーな即興演奏が主体。感覚を研ぎ澄ましたようなインプロの質は高く、本来のフリー・ジャズのあるべき姿を示唆しているようでもある。“日本一インテリジェンスに富んだドラマー”との異名を取る芳垣のドラミングもそれに大いに寄与していて、いかなる状況でも音楽に創造性を与えられる経験と頭脳から繰り出されるシャープで“品”のあるショットは、ここでもその効果は絶大!(菅沼道昭/る*しろう)

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】大友良英(g)、芳垣安洋(d)、 水谷浩章(b)、類家心平(tp)、今込 治(tb)

    発売元:F.M.N.SoundFactory 品番:FMC-051 本体価格:¥2,500 発売日:2020.6.12

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    【A】くるり『thaw』

    d:森 信⾏/BOBO/クリフ・アーモンド/朝倉真司/川本真太郎/田中佑司

    バンドの歴史に関わってきた
    ドラマー6人が各時代の世界を構築

    2020年の春、多くの活動凍結を余儀なくされた音楽界で、くるりが選んだ前進への道はベスト盤のリリース。と言っても“代表曲を収録”とは真逆で、1997年から現在に至るまでの未発表音源を中心とした、いわば“裏くるり”という趣となった。全15曲のCD版(配信11曲)にはバンドの歴史に関わってきたドラマー6人の名が連なり、各時代ごとの世界を構築。ドラマガ的視点では、オリジナル・ドラマー、森 信行の叩く“ダンス・ミュージック”のプレイが印象深い。岸田 繁の解説(詳細はMemo参照)と併せ読みながら聴くと、その時々の情景も浮かび、ある意味ではコロナによるピンチが隠れた名曲達を世に送り出したという奇跡を感じる作品だ。(山本雄一/RCCドラムスクール)

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】岸⽥ 繁(vo、g、mandolin、key、bouzouki、whistle、CDJ、harp、d)、佐藤征史(b、contrabass、kalimba、d、per)、森 信⾏/BOBO/クリフ・アーモンド/朝倉真司/川本真太郎(d)、田中佑司(d、per、melodica、cho)、ファンファン(tp、cho)、吉⽥省念(g、cello、bouzouki、cho)、⼤村達⾝(g)、世武裕⼦(p、org)、ルイス・ターナー/カーウィン・エリス(p)、宮島哲博(vo)

    先行配信&CD 発売元:ビクター 品番:VICL-65396 本体価格:¥2,700 発売日:2020.5.27(CD)

    ◎Memo
    岸田 繁によるセルフ・ライナーノーツはこちら(note)

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    【E】Crossfaith「SPECIES EP」

    d:Tatsuya Amano

    一音も撫でることなくブチ込んでくる
    最高級のテクニックとハートに笑いっぱなし

    きたぜきたぜ!! 全国100万人のタツファンのドラマーども!! Crossfaithの新譜がきたぜ!! まあ作品のレビューは他の音楽誌やWEBサイトが死ぬほど絶賛するだろうからそっちをチェックしてもらうとして、そう!ここはドラマガだぜ! タツ!どこまで行くんだよお前! このEPのアタマっから最後まで挑戦しっぱなしじゃねえか。一音も撫でることなくブチ込んでくる最高級のテクニックとハートに笑いっぱなしだわ。すべての音から”そこ”に全存在をかけて生きてるタツを感じるよ。最高のソウル・ドラマーだぜ。お前のおかげでまだまだ人間を信じられるわ。ここまで読んだ人、いいから黙ってチェックしてみて。これが世界のトップ・ランナーだから。(BOBO)

    ◎Disc Information
    【参加ミュージシャン】Tatsuya Amano(d)、Hiroki Ikegawa(b)、Terufumi Tamano(program、 vision)、Kazuki Takemura(g)、Kenta Koie/ Masato/Jin Dogg(vo)

    発売元:Species 品番:SPS-001 本体価格:¥2,500 発売日:2020.5.20

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