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    Column-デイヴ・ブルーベックとジョー・モレロの革新的な試み

    • Text:Yasuhiro Yoshigaki
    • Photo:JP Jazz Archive/Getty Images

    音楽史に残る不朽の名盤『Time Out』を残したジャズ・ピアニスト、デイヴ・ブルーベック。2020年は彼の生誕100周年イヤーで、それを記念し、『Time Out』のアウト・テイクに未発表音源を加えた『Time Outtakes』がリリースされた。ここでは芳垣安洋氏に、オリジナル盤とこのアウト・テイク集を比較しながら、デイヴ・ブルーベックと、名手=ジョー・モレロの革新的な試みを検証してもらった!

    『Time Out』と『Time Outtakes』を比較検証!

    『Time Out』(1959年発表)
    『Time Outtakes』(2020年発表)

    1959年に発表され、ジャズ・ピアニストのデイヴ・ブルーベックが一世を風靡したアルバム『Time Out』。アルバムの全貌は知らなくとも「Take Five」という5拍子で演奏される曲を聴いたことがある方は多いと思います。ジャズのアルバムとしては初めてのミリオン・セラーを記録した作品です。

    「Take Five」以外にも9/8拍子の「Blue Rondo à la Turk」や、ミディアム・テンポのスウィングで始まり、途中で1小節を6分割して3/4拍子に変化していく「Kathy’s Waltz」など、さまざまなリズム・ギミックをジャズに持ち込んだ革新的な作品でした。タイトなリズムを表現するブルーベックのピアノ、小気味好くメロディアスなサックスを吹くポール・デズモンド、グルーブを支えるベース奏者、ユージン・ライト、そして見事なスティック・コントロールを聴かせるドラムのジョー・モレロ、この不動のカルテットがジャズ界に与えた影響は歴史的な出来事だったと思います。

    そして60年の時を経て、ブルーベック生誕100周年を記念して、このときのレコーディング・セッションのアウト・テイク集『Time Outtakes』がリリースされることとなりました。ここでは正規のリリース作品と今回のアウト・テイク集とを比較しながらブルーベック・カルテットやジョー・モレロのドラミングを振り返ってみようと思います。

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