NOTES
自分の頭の中に明確な出したい
音のイメージがあったら
そのパッド練習は化けると思う
プロ/アマを問わず悩めるドラマーを助けるべく、“相談”を主軸に置いたレッスンをオンラインでスタートさせたBOBO。本セミナーはリニューアルしたドラム・マガジン2020年7月号からスタートした新連載で、オンライン・レッスンの中で話題に上がった悩みを読者と共有し、BOBOが信頼する仲間達と一緒にとことん考えていくというもの。ここではその第一弾として掲載した“基礎”に関するBOBOの考えを一部公開!
●連載をやる上で、毎回セミナーのテーマを考えてほしいと事前にお願いしていたわけですが、記念すべき第1回目のテーマは何にしましょうか?
BOBO いや、寝ないでいろいろ考えたんだけど、やっぱ北野ちゃんとじっくり話し合って決めようと思って。
● 絶対考えてないですよね?
BOBO あはははは!
●返信がなかったので、どうせそんなことだろうと思ってました。よくBOBOさんと“ドラマーに大事なこととは”っていうテーマで話をするじゃないですか?
BOBO 超するね。
●そんなとき、よく基礎の話になるじゃないですか?
BOBO 超なるね。
●今回セミナー・ページをやっていただく際に、その“ドラマーに大事なこととは?”を、1つ1つ噛み砕きながら進めて行くのはどうでしょう? そこでまず基礎について、から始めるとスムーズな気がしますが、どうでしょうか?
BOBO それそれ! まさに今回“基礎って何?”っていうテーマでやろうと思ってたんだよ!
●そう返信してくださいよ!
BOBO でもちょっと周りを見ると、本当にどこでも言ってるよね。基礎が大事! 基礎がすべて! 僕、私、基礎がないんです! やっぱり基礎は必要なんでしょうか! 基礎! 基礎! 起訴! 起訴!
●……でも確かにそうですよね。BOBOさんはこのコロナ禍の中、オンライン・レッスン始めたじゃないですか。それこそ基礎練習について質問されることが多いんじゃないですか?
BOBO めちゃめちゃ聴かれるよ! もう毎回のように。いわゆる“プロ”とか呼ばれてるドラマー達が普段どんな練習してんのか、やっぱりみんな気になるんだろうね。ただ俺の場合、ライヴやツアーだったら前段階のスタジオでのリハーサル含めて相当ドラムに触れているし、レコーディングもセッティングから音決め、録音合わせて、曲数や現場にもよるけどやっぱ同じくらい触れてて。
●時間で言うとどれぐらいですか?
BOBO 1日7〜8時間は触るかな。当然それらの予習や準備にも時間かかるし。そんな毎日を繰り返してるから、ドラムに関わる時間が質問してくれるみんなより圧倒的に多いと思うんだよね。俺は本番以外はすべて練習、っていうか練習と本番の差を限りなくゼロにするのが理想だから、いわゆる基礎練習みたいなものはそんなにやってないんだよね。
●パッドを使った練習とかですか?
BOBO そうだねー。そう! この間のオンラインのグループ・ミーティングでも話したんだけど、やっぱりみんな基礎についてすごい知りたがるから、ミーティング中にWikipediaで“基礎”を調べてみたんだよ。笑ったよ! ちょっと見てよ!
●はい。
BOBO 読むぜ!(Wikipediaの「基礎」のページを出して)……「構造物からの力を地盤に伝え、構造物を安全に支える機能をもつ構造である。下部構造(かぶこうぞう)とも呼ばれ、それに対して建築物本体を上部構造と呼ぶ」ってこれ、ゴリゴリの建築用語の説明だし! 「基礎とは物事の礎(いしずえ)」とか出てくると思ってたから超想定外だったよ。
●(笑)。
BOBO でも、ずっと俺が考えてた“基礎”は間違ってなかったって確信したよ。だって建築用語の方が全然わかりやすいよね。何のための基礎工事かって話だよね。上に来る建物がなんなのか、で作んなきゃいけない土台がまったく変わってくるでしょ。建てたいのが一戸建てなのか。それなら何階建てだろう? 平屋と3階建てなら基礎工事も変わってくるよね。マンションだったら? 一体どんだけの敷地面積? 建物の容積は? 重いの? 軽いの? バカでかいスペースだけどスッカスカの体育館かもしれないし、巨大ショッピング・モールかもしれない。すべての基礎工事は上部構造によるよね。そもそもそれがわかんなかったら基礎工事なんて入れないよ。
●そうですね。
BOBO ドラムもまったく同じでしょ。どんな音を出したいかが1番重要だよね。そのためにはどんな基礎工事=基礎練習が必要かってことだと思うんだ。こんな演奏が、音楽がしたいっていうイメージがないと基礎工事に取りかかれないよ。しかもそのイメージがはっきりしてればはっきりしてるほど、明確な基礎工事ができると思う。もちろんパッド練習を頑張ってる人を否定するわけじゃないよ! でも自分の頭の中に明確な出したい音のイメージがあったら、そのパッド練習は化けると思うんだよね。その瞬間からそれはパッドじゃなくて本物のドラムになると思う。リアリティが出てくるよ。パッドを叩くタッチやショット・スピードで、パッドからの出音や手に伝わる感触が頭の中でイメージしている音とリンクし始めると思う。そうなったらパッド練習ってめちゃくちゃ効果的だよね。
続きはリズム&ドラム・マガジン2020年7月号から!
9月16日発売の“ドラマガ10月号”では“個性”をテーマにBOBOが独自の意見を語っているのでこちらもチェック!