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Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#5 〜 SLIPKNOT「The Heretic Anthem」
- 文&解説&動画:響[摩天楼オペラ]
こんにちは、摩天楼オペラの響です。第5回はSLIPKNOTの「The Heretic Anthem」のドラム・カヴァー解説を行わせていただきました。この楽曲が収録されている『IOWA』が発売されてから今月で20周年ということで、あらためてこの名曲のフレーズを紐解いていきたいと思います。今回はイントロ、Bメロ、ドラム・ソロ、Cメロを解説していきます。
◯ Anatomy of Drumming #5 Contents
■ カヴァーのポイント① 〜フロアとキックの8分でのユニゾン〜
■ カヴァーのポイント② 〜拍が取りづらいスネアのパターン〜
■ カヴァーのポイント③ 〜ツーバスの安定した16分連打〜
■ カヴァーのポイント④ 〜変則的なハーフの8ビート〜
■カヴァーのポイント① イントロ〜フロア・タムとキックの8分でのユニゾン〜
イントロは3、4小節目のフロア・タムとキックの8分でのユニゾンが攻略のポイントとして挙げられます。右手と右足が同じ動きをするフレーズではありますが、かなり速めのテンポということもあり、慣れない間はズレやすいので注意が必要です。また、フロア・タムとキックはどちらも低音が鳴るタイコのため、少しでもズレてしまうとこのパートの迫力が半減してしまいます。
■カヴァーのポイント② Bメロ〜拍が取りづらいスネアのパターン〜
Bメロはスネアの位置が少し複雑なパターンとなります。このように拍が取りづらいパターンは、一気に叩こうとするのではなく、右手、左手、足の3パートに分けて譜面を見るようにしてみてください。このフレーズの攻略順序としては、右手のチャイナ・シンバルの4分打ちに、左手のスネアを加え、最後にスネアが入っていない位置すべてにキックを入れてあげます。このようにパーツごとに分けることで、複雑なフレーズも比較的叩きやすくなります。
■カヴァーのポイント③ ドラム・ソロ〜ツーバスの安定した16分連打
ドラム・ソロで最も大切なのがツーバスの16分連打の安定です。連打自体は3小節と短めではありますが、他の楽器が鳴っていないことや、フレーズ自体キックがかなり目立つものとなっているので、ツーバスの安定感が欠けてしまってはカッコ良く聴かせることができません。その他には、3小節目の2拍3連のようなタムの同時打ち、ここは手に対応する足順が左右交互に入れ替わるようなフレーズになっているので注意が必要です。ツーバスの16分連打に関しては、第4回で解説した手の基礎連を足に当てはめて練習してみるとスピード・アップにつながります。
■カヴァーのポイント④Cメロ〜変則的なハーフの8ビート〜
Cメロは基本的には手がハーフの8ビートですが、2、4拍にフロア・タムを入れるフレーズとなっているため、手順などが通常と大きく異なっています。セッティング次第ではありますが、ここではハイハットを常に左手で刻み、右手でスネアとフロアを交互に叩くという手順で攻略しています。さらにその中で8分のツーバス連打が入ってくるという、かなりイレギュラーな動きをするフレーズのため、身体のバランスが崩れないように意識してみてください
◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
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