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    ドラムが叩ける!お宅訪問[Webオリジナル番外編]#7 埼玉県在住 鈴木秀典さん 宅スタジオ<前編>

    “いつでも好きなときに、自分のドラムを思い切り叩きたい”、そんな夢を叶えてくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスなどの防音/音響工事を多く手がける専門業者、アコースティックエンジニアリングが作るドラム用防音室だ。今回は番外編として、埼玉県に住む鈴木秀典さんが新たに開業するスタジオ、creative space Joinを訪問。リハーサルやレコーディング、動画撮影、配信ライヴなどに対応するマルチなスペースである。前後編の2回に分けてレポートしていこう。

    エンジニアへの興味が高じて
    本格的なスタジオを作ることに

    十数年前に立ち上げた電子部品の会社を経営している鈴木さんは、高校時代に組んだバンドでドラムを叩き、卒業後にレコード・デビューしたこともある経歴の持ち主。それから2年ほど活動した後に鈴木さんは大学入学の道を選び、音楽からは離れていった。

    「でも、40歳を過ぎたあたりで“そろそろやってみようかな”と思って、当時の同級生とちょっと遊ぼうという感じでバンドを始めたんです。もう20年くらいになりますが、最近は結構頑張って活動していて、CDを作ったり配信したりもしています。レコーディングからマスタリングまで、全部自分でやっていて楽しいですよ。バンド以外では、YouTubeの“歌ってみた”で使う音源や、歌い手さんのMVも作っていて、一時期は毎週新作をアップしていたこともありました」

    ドラム・セットやギター・アンプ、ベース・アンプ、PA機材などが置かれた約16.5畳のスタジオ。大きな鏡がありバンドのリハーサルで使えるほか、ドラムの奥に見える扉の向こうはコントロール・ルームになっており本格的なレコーディングも可能。鈴木さん曰く「ここで録れるドラムのサウンドには自信があります」。

    仕事では設計や製造といった技術面も手がけるそうで、音楽でもエンジニアの素養を発揮していることになる。遡ると、もともとスタジオ・ワークには関心があったと鈴木さんは言う。

    「デビューしたバンドはハード・ロック・トリオだったんですけど、1stアルバムでは、当時同じ事務所だったカシオペアの野呂(一生/g)さんと向谷(実/key)さんがゲストで弾いてくれています。レコーディングは、東京のメジャーなスタジオを複数使っていて、僕はそんなスタジオの様子を見るのが好きでした。それから40年以上経って、あの頃の興味が高じてこうなったわけです(笑)」

    スタジオを別角度から撮影。天井から吊ってあるPAスピーカーはElectro-VoiceのTour Xシリーズ。大きな鏡にはロールスクリーンがついており、使用目的に合わせて音の反響を抑えることが可能。鏡の両脇は凹凸がある割肌タイルで仕上げ、デザイン的なアクセントになっているほか、スピーカーの後ろで反射音を拡散する役割も果たす。
    PA機材は、ALLEN & HEATHのミキサー、dbxのシグナル・プロセッサー、TASCAMのデジタル・リヴァーブ、RAMSAのデジタル・マルチ・プロセッサー、QSCとAMCRONのパワー・アンプなど、商用スタジオらしい本格的なものを用意。これらは奥まったスペースに置かれ、カーテンで隠せるため動画撮影の邪魔にならないところもポイント。

    「スタジオを作りたいという気持ちはずっとありました」という鈴木さん。趣味のプライベート・スタジオではなく新たな事業として始めることを決め、公的な補助金も利用してスタジオ作りに踏み出した。設計/施工をアコースティックエンジニアリングに依頼した理由を尋ねると、こんな答えが。

    「どこにお願いするかはとても重要でしたから、雑誌やネット検索でいろいろ調べて、関東近辺でお願いできそうなところを数社候補に挙げていました。アコースティックエンジニアリングさんのことはサンレコ(サウンド&レコーディング・マガジン)で見て知っていて、一番最初に連絡したんです。そのときの感じが良かったので、やっぱりここがいいなと。九段のショールームにも行きました」

    アコースティックエンジニアリングのオフィスに併設されたショールームで佐野康夫がその響きを体感した記事がこちら

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