NOTES
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アコースティックエンジニアリングが手がけた“ドラムが叩ける”プライベート・スタジオ Archive #2[埼玉県 稲葉光一さん宅]
- 取材&文:西本 勲 撮影:八島 崇
“自宅で思いきりドラムを叩きたい。しかも良い音で”……スタジオやライヴ・ハウスなどの防音/音響工事を行う専門業者、アコースティックエンジニアリングが住宅に施工したドラム用防音室にフォーカスする連載企画。今回は埼玉県在住の稲葉光一さんが、毎日練習しているという自宅スタジオを紹介していきます!
理想の音がするスタジオで毎日練習
本当に作って良かったです
2017年10月に完成した稲葉さん宅は、もともと同じ土地に建っていた中古住宅を建て替える形で作られた。
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シンバル類は写真のもの以外も所有し、このセットを2台に分けて、ドラム仲間と一緒に練習することもあるという。
スピーカーはライヴ・ハウスでも使われるほどのハイパワー仕様。
「高校生くらいの頃からずっと思っていた」という自宅スタジオを実現するため、住宅メーカー数社に見積もりを依頼する中でアコースティックエンジニアリングとの縁ができた稲葉さん。実際の施工例も見学し、遮音性能や室内の音響を確かめた上でスタジオ作りに臨んだ。
そんな稲葉さんは、以前から趣味でバンドを組み、ツーバスのドラム・セットを持っているが、ライヴで持ち出す以外は倉庫に入れっぱなしで、普段はエレドラを叩いていたそうだ。そしてスタジオが出来上がり、ようやく生ドラムのセットを叩けるようになったことによる変化は大きいという。
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既製サイズだとスティール製よりやや幅が狭い木製防音ドアを、ピアノ搬入のためにスティール製と同じ幅まで広げたそうだ。
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「高揚感があってドラムの練習も楽しくなる。オススメですよ」。
「毎日練習しているおかげで、アマチュアながらもうまくなったと思います。それに、今までは気にしたくてもできなかったチューニングにじっくり取り組めるのもうれしいですね。ここにメンバーを呼んでバンド練習もしていますが、お互いの演奏が聴き取りやすいと好評です。簡易的ですがドラムのレコーディングをしたこともあります。とてもきれいな理想の音で、何から何までやりやすい。作って良かったなと思っています」。
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ご覧の通り隣家との距離がかなり近いため、「可能な限り遮音してほしいとお願いしました」とのことで、もちろんノートラブル。
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閉鎖空間でこれだけの数値が得られるのは、木造住宅の遮音としては最高レベル。
さらに、スタジオの外には十分な収納スペースが設けられ、普段使わない機材やケースはそちらに置かれている。
「これからスタジオを作ろうという人は、そういうところも考えて設計されるといいんじゃないかなと思います」。
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YMOが好きで高校入学と同時にシンセサイザーを手に入れるも、鍵盤に馴染めずドラムを始める。当時のジャパニーズ・メタル・ブームに乗って、軽音楽部でラウドネスやアースシェイカー、44マグナムなどをコピー。一時はプロを目指すほどバンド活動に熱中し、就職した後も「趣味としてはかなりやっている方です」。高校時代に通っていたドラム・スクールの先生を通じて知り合ったドラム仲間も多く、今も合宿やイベントなどで交流が続いている。スタジオができたことで、そうしたつき合いもさらに深まっているそうだ。
※本記事は2018年5月号掲載の記事を転載したものになります。
アコースティック
エンジニアリングとは?
株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。
株式会社アコースティックエンジニアリング
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