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    ドラム×肉体〜叩き続ける“カラダ作り”〜(2018年11月号掲載) 3. 身体をケアするドラマー向け“ボディ・メンテナンス”

    • Text:Koichi Yamakita Model:Daichi Izumi(DISH//) Photo:Yoshika Horita
    • Special Thanks:Bonney Drum Japan  Editor:Daisuke Ito

    3. 身体をケアするドラマー向け“ボディ・メンテナンス”

    気持ちの良い動きだけで、身体を整えるストレッチ

    心身の疲労回復を早め、演奏時の動きをスムーズにするためにオススメのメンテナンスを紹介します。ライヴや練習のあと、就寝前など、疲労をリセットしたいときに行うと効果的です。普段のストレッチと大きく異なるのは、苦手な動きを避けて得意な動きだけをすること。筋肉を無理に伸ばすことは一切しません。

    ポイントは“頑張らない”、“ひたすら楽な形を探す”こと。痛い動きは避けて、筋肉を緩めながら気持ちの良い動きだけを行います。気持ちの良い動きをするだけで、肉体が整う理由は“脳”にあります。筋肉の緊張は無意識のうちに、脳の命令によって起きています。そこで痛みやこわばりを感じる動きを頑張ってやってしまうと、緊張が余計に強まってしまい逆効果なのです。自分にとって楽な動きを気持ち良く行うと、脳がリラックスして筋肉が弛緩します。その結果として、最初は苦手だった動きもスムーズにできるようになるのです。

    この項目で紹介するストレッチはすべて、動きの左右差を確認してから始めますが、左右差は完全になくならなくてもOK。なぜなら人間の身体は左右均等にできていないので、完全に左右差がなくなることはまずありません。ですから、左右均等を目指すよりも、ドラムを叩くときに自由に身体が使えるようになることを目指しましょう。無数にある筋肉繊維の一本一本をイメージし、それらがまんべんなく使える状態にしていくイメージで取り組むと、良い結果が得られるでしょう。

    臥位(寝転がった状態)のストレッチ

    1. 演奏後のメンテナンスに試したい“膝倒し”

    腰痛の予防になる全身の筋肉を連動させたトレーニング。ここで行う左右のバランスを感じて整える流れは、この項目で紹介するすべてのストレッチに共通します。伸ばしたときに自分が固いと感じた方向から、やりやすい方向へゆっくりと動かすことで、全身の筋肉を動かしながら弛緩させます。この膝倒しは演奏後などに適しています。

    まずは膝を曲げた状態で左右の床につける方向に可能な限り倒してみよう。もちろん写真のように床につかなくてもOK。重要なのは、どちらに倒したときの方がより楽なのかを自分で理解すること。ここが把握できたら次の動きへ。

    POINT▶︎左右のどちらが楽なのかを感じよう。固い方から逆方向へとゆっくり動かす。

    自分にとって楽に倒しにくい側へ を倒したら、逆方向にゆっくりと を動かす。写真では右から左へと移動しているが、動かす目安は10秒程度。終わったら膝を戻し、倒しにくい方向へ膝を倒してみてほしい。前の動きよりも柔らかくなっているはずだ。

    POINT▶︎10秒くらいかけてじんわりと動かす。

    2. カカトを伸ばすと肩の左右バランスも整う

    このストレッチでは足と骨盤が連動するイメージを持って取り組もう。これによって足と骨盤の左右バランスを整えられます。足と骨盤が整うと、肩の左右差も減るので、例えば左手のヒットが無意識に弱くなってしまうという問題が、このストレッチで解決することもあります。

    伸びやすい方の足がわかったら(写真では右足)、そちら側の足のカカトを床につけたまま押し出すように足を伸ばす。その際に骨盤が自然と前へと押し出されるように動かそう。膝を倒したときと同じように、10秒程度かけてゆっくりと伸ばす。そうすると、逆側のカカトも自然と伸びやすくなる。

    POINT▶︎骨盤から足を伸ばす感覚で。

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