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上原ユカリと林立夫の名演も光る大滝詠一の歴史的名盤が発売40周年を記念してリイシュー
- Text:Shinichi Takeuchi
昨年公開された映画「私をくいとめて」の劇中歌に起用されたり、テレビCMでカヴァーされるなど、あらためて注目を集めている大滝詠一の代表曲「君は天然色」。この名曲を収録し、1981年に発表されたアルバム『A LONG VACATION』が、発売40周年を記念してリイシューされる。
今回は3形態でのリリースとなり、通常盤はCD2枚組仕様。ディスク1には新たなマスター・テープからリマスターされた2021年版の最新音源によるアルバム本編を収録。上原“ユカリ”裕と林 立夫が刻んだ歴史的な名ドラミングが、最新のサウンドでよみがえる。2人の繊細なタッチやダイナミクスが、これまで以上にリアルに感じられるはずだ。
ディスク2には、『Road to A LONG VACATION』と題した音源が初収録される。これは、10年前に大滝が自ら制作し、本作の30周年記念盤の発売イベントで一度だけ公開されたという貴重なもので、デモなど未発表音源などを交えながら大滝がDJスタイルで、本作の誕生秘話を明かしている。
完全生産限定アナログでは、世界的なカッティング・エンジニアのティム・ヤングがカッティングを担当。当時のアナログ盤と比べて、ヴォーカルの聴こえ方が良くなったという触れ込みだが、それに合わせてドラム・サウンドにどんな変化が生まれたのかにも注目したい。
今回の40周年記念盤の最大の目玉と言えるのがボックス・セットの『A LONG VACATION VOX』。“40周年盤は2021年の時点で流通しているすべての音楽記録媒体でリリースしたい”という大滝の遺志に沿って、CD4枚、Blu-ray Disc、アナログ・レコード、カセット・テープなどを同梱し、それぞれの媒体で最新版の『A LONG VACATION』が楽しめる趣向となっている。もちろん、貴重音源も満載。Blu-ray Discには、映画「私をくいとめて」で使用された「君は天然色」は5.1chサラウンド音源をはじめ、インスト集の『A LONG VACATION TRACKS』など、本作に関する公式音源のすべてがハイレゾ音源で収録されている。
さらに注目はCDのディスク3。『A LONG VACATION SESSIONS』と銘打ち、アルバム録音時のセッションが、ほぼレコーディング順に並べられており、初公開となる蔵出し音源も多数。リズムのみのテイク違いなども収録されているそうなので、ドラムの変化による曲の進化がつぶさに見て取れ、参加ドラマーたちの奮闘ぶりがうかがえる歴史的な資料とも言えるだろう。
3形態共に発売は3月21日。詳しい収録内容など、詳細はアルバムの特設サイトをチェックしてほしい。
大滝詠一『A LONG VACATION 40th Anniversary Edition』特設サイト
◎作品情報
『A LONG VACATION 40th Anniversary Edition』
大滝詠一
発売元:ソニー SRCL-12010~12011 詳細はこちら●ソニー