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    ドラム・クリニック開催記念! スティーヴ・ガッドが語る新たなYamaha Recording Custom!!

    • Interpretation & Translation:Akira Sakamoto
    • Interview:Rhythm & Drums Magazine

    いよいよ今月末に開催されるスティーヴ・ガッドのドラム・クリニック。当日は彼が開発に携わった新生Recording Customが使用されるということで、ここではクリニックの開催を記念し、ドラム・マガジン2016年10月号でスティーヴがRecording Customについて語ったインタビューを公開! 長年に渡って“ヤマハ・バーチ”を愛用してきた彼が、新しくなった“レコカス”の魅力を熱弁する貴重な内容です!!

    箱から出した瞬間から素晴らしいサウンド

    ●新しいRecording Customの開発に当たって、あなたも協力し、さまざまなアイディアを出したそうですね。
    スティーヴ
     そう、いくつかの意見を伝えたんだ。そして素晴らしいドラムが完成した。新しいRecording Customは最高のサウンドだよ。そしてとても扱いやすい楽器だ。ヤマハは本当に良い仕事をしたと思うね。

    ●実践で使うのは、今回の来日公演(2016年2月)が初めてだったそうですが、昨日の富山公演では、ステージ後に、あらためて“素晴らしい音だ”と語っていたのが印象的でした。
    スティーヴ
     叩き心地が良かったからね。この新しいRecording Customは反応がとても良くて、使えるチューニングの範囲が広いんだ。君の言う通り、ライヴで使ったのは今回が初めてで、これからいろんなヘッドを張ったり、実験したいと思っているんだけど、ボトム・ヘッドに対する反応が特に良いね。今のところ、ボトムにコーテッド・アンバサダーとクリア・アンバサダーを張って試してみたけど、次はクリア・ディプロマットも試してみるつもりなんだ。

    とにかくヘッドの種類の違いによる反応が良くて、そこも気に入っているよ。ドラムによっては、特定のヘッドを張ると反応が悪くなるものもあるけれど、この新しいRecording Customは、今のところ試したヘッドのすべてで、それぞれ良い反応が得られている。同じキットでも、ヘッドを換えることでいろいろなサウンドが出せたり、いろいろな状況に対応できたりするわけだからね。実際に僕は現場でそういうことをずっと試してきた。こうした違いに楽器が反応してくれて、自分の出したい音が出せるというのは最高だよ。

    ●おっしゃったようにボトム・ヘッドは大阪公演ではコーテッド・アンバサダーを、富山公演ではクリアのアンバサダーをそれぞれ試していましたね。音程感はクリアの方が明確だったように思います。
    スティーヴ
     僕もそう思ったよ。だからディプロマットを張れば、もっと明確になるんじゃないかな。いろいろと試すのが楽しみだよ。

    ●以前のRecording Customも使用されていたかと思いますが、新しいRecording Customはそれと比較して、どんな点が変わったと思いますか?
    スティーヴ 
    以前のモデルを使っていたのは、もう昔のことだから比較するのは難しいけど、新しいRecording Customは、ベース・ドラムの低音がより豊かになっていて、タムはサウンドが良くてさまざまなチューニングに対応してくれるようになった。フィール・グッドで、とにかく叩きやすいんだ。

    ●20″のベース・ドラムには、リフト・アップ用にフローティング・システムが搭載されていますが、これはあなたのアイディアだったそうですね?
    スティーヴ
     もともとはハギ(萩原 尚氏)との話し合いの中から生まれたアイディアだったと思う。あの20″のベース・ドラムは僕もすごく気に入っているんだ。とにかく演奏しやすいからね。新品のドラムをしばらく鳴らし込んだようなサウンドにするのには、ある程度の時間が必要だけれど、新しいレコーディングカスタムは箱から出した瞬間から素晴らしいサウンドなんだ。これは驚くべきことだよ。タムがピュアなサウンドで鳴るようにハードウェアを工夫したんだろうな。だからヘッドを違う種類のものに交換すると、楽器も繊細に反応するんだと思う。

    ●では、アタックと倍音の関係についてはどう感じましたか。
    スティーヴ
     いろいろなヘッドを試したいと言ったのは、まさにそこを確かめるためなんだ。まだ少ししか使っていないし、ライヴとスタジオでは条件が違うから、もっといろいろと実験したいと思っているけれど、僕が思うにこの新しいRecording Customはどんな状況にもうまく対応してくれるんじゃないかな。

    ●あなたは今、自身のシグネチャー・モデルも使用されていますが、新しいRecording Customとの使い分けについては、どのように考えているのですか?
    スティーヴ
     Recording Customは今回のツアーで使っただけだから、その質問に細かく答えるにも、もっといろいろと試してみる必要があるね。マイクを通さない生音でも、サウンドや反応の違いを確認したいと思っているんだ。今回は音量の大きなジョン(トロペイ)のバンドで、マイクを通す使い方ではとてもうまくいったよね。でももっといろいろな状況で試してみるつもりだよ。どんな状況にもうまく対応してくれるとは思うけれど、実際に試してみるまで、どう使い分けるのか、はっきりしたことは言えないな。どんな状況でどんなヘッドを張ることになるかもわからないしね。とはいえ、箱から出して適当なヘッドを張っただけですぐに良いサウンドが出るというのは本当に素晴らしいことだよ。ピュアなサウンドだし、ベース・ドラムは低音が豊かだし……繰り返しになっちゃうけど、とにかくいろいろ試すのが楽しみなんだ。

    ●育てていく楽しみがあるわけですね?
    スティーヴ
     そうだね。

    ●キットと同時にRecording Customのスネア・ドラムも発表されましたが、その印象はいかがでしたか? 実際にサウンド・チェックの際にも試していましたが……。
    スティーヴ
     僕が試したのはスティール・シェルのスネア(RLS1455)だったんだけど、これにも満足しているよ。今の組み合わせも素晴らしいけど、ダイキャストのリム(フープ)を組み合わせたサウンドも面白いし、フランジド・リムと組み合わせれば、また違うサウンドになるだろうね。今夜のショウでは新しいスティール・シェルとダイキャスト・フープを組み合わせて、ボトムにはディプロマット、トップにはコーテッド・アンバサダーを張ったけれど、それも良い感じだったよ。

    ●14″×5.5″のスネア・ドラムには、標準の20本タイプのスナッピーに加えて、10本タイプのものも付属しますが、これもあなたのアイディアだそうですね。
    スティーヴ
     そうだね。もともとは古いスネアを使っていて、そのスナッピーのスプリングが何本か取れてしまっていたんだけど、そのサウンドが気に入っていてね。それでヤマハにスプリングの少ないスナッピーを作ってくれるように頼んだんだ。そして今回のスネアにもそれが付属されることになったんだ。

    ●この新しいRecording Customは、どういうドラマーにオススメですか?
    スティーヴ
     箱から出してすぐに良いサウンドが出せるドラムだから、どんなドラマーでも満足できるんじゃないかな。さっきも言ったように、セッティングの微妙な変更にも敏感に反応してくれるしね。もともと今回のRecording Customは、使えるチューニングの幅が広く、幅広い用途に対応できることを目指して開発されたものなんだ。僕自身、まだ数回のライヴで使っただけだから、確かなことは言えないけれど、開発の段階で必要な要素は盛り込んであるから、あとは実際の現場で使うだけさ。

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