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博士 山本拓矢が試した【2023年4月号】のNEW PRODUCTS!〜M drums KURINUKI Series Snare Drums 欅&桧〜

  • 試奏:山本拓矢[bohemianvoodoo]
  • 撮影:八島 崇
  • 機材協力:ジャパン・パーカッション・センター2Fドラム・シティ

一級建築士が手がける
こだわりの国産材くり抜きスネア

一級建築士でありながらライヴ活動も精力的に行っているオールラウンド・ドラマー、堀内 誠氏が2021年に宮崎県で立ち上げたカスタム・ドラム・メーカー、M drums。

こだわりの九州産の無垢材や外国産材を、独自の工法でシェル加工し、くり抜きの単板や分割数を少なくしたブロック・シェルながら、従来より薄めのシェル厚で胴鳴りを感じられるスネアを目指しているという。

今回は同社の代表格とも言える“KURINUKI(くり抜き)”シリーズの欅(けやき)と桧(ひのき)を検証。強度確保のため、レインフォースメントリングと、独自の工法によるレインフォースメントリブ(センタービードのような部分/オプションで選択可能)が施されたルックスも特徴だ。

KURINUKIシリーズ 欅 オープン・プライス
詳細スペックはページ下部で!
KURINUKIシリーズ 桧 オープン・プライス
詳細スペックはページ下部で!

※今回試奏した欅、桧のくり抜きスネアはジャパン・パーカッション・センター2Fのドラム・シティにて取り扱っています。

Review

樹種ごとの傾向はしっかりしながら
ジャンルを選ばず使える独自のシェル構造

無垢材にこだわった、宮崎発のハンドクラフト・ドラム・メーカーということで、美しい木目が目を惹きます。量産には不向きであろう贅沢な仕様ですが、受注生産という体制でバランスをとっているのでしょう。

まず重要なポイントであるエッジについて見ていきます。木材は導管が目立つというその特性上、トップの精度面でどうしても不利になる傾向がありますが、その条件下では十分すぎるほどに整っています。濁りのない伸びやかなトーンですが、複雑なシェル断面の形状によるものか、スネアらしさに必須の倍音も備えており、キットとのブレンドも良好です。

独自のシェル構造は、良い意味でドラムと音楽の歴史から切り離されており、気を衒った極端な個性づけのようなものではないので、ジャンルを選ばず使えるのではないかと感じました。

欅のアタックの情報量、桧の明るさ、樹種ごとの傾向はしっかりと感じられましたが、同じ樹種でも、部位や個体による音色の差は大きいはずなので、注文の際には、原木の印象などを踏まえて確認するのが良いでしょう。

今回試した楽器は、いずれもIndependent Drum Lab のスイッチが搭載されていましたが、シェルの深さの違いで、コードの引っ張り角度が異なっており、スネアの反応と調整幅に大きな違いがありました。パーツの選択にも対応しているということで、求めるキャラクターに応じて、どんなものを組み合わせるかも、オーダーメイドの醍醐味ですね。

◎欅、桧の詳細スペックはこちら!

●KURINUKI Series 欅

※オーダーメイドのため、試奏製品は動画の個体とは異なります。今回試奏した欅、桧のくり抜きスネアはジャパン・パーカッション・センター2Fのドラム・シティにて取り扱っています。

GEAR SPEC

KURINUKI 欅
オープン・プライス

【シェル】単板欅
【サイズ】14″×5.5″
【フープ】プレス(10テンション/2.3mm厚)
【スナッピー】20本線
【打面ヘッド】レモ・コーテッド・アンバサダー
【フィニッシュ】ポリウレタン・マット・フィニッシュ

お問い合わせ: Mdrums(https://m-drums.com

●KURINUKI Series 桧

※オーダーメイドのため、試奏製品は動画の個体とは異なります。今回試奏した欅、桧のくり抜きスネアはジャパン・パーカッション・センター2Fのドラム・シティにて取り扱っています。

GEAR SPEC

KURINUKI 桧
オープン・プライス

【シェル】単板桧
【サイズ】14″×6.5″
【フープ】プレス(10テンション/2.3mm厚)
【スナッピー】16本線
【打面ヘッド】レモ・コーテッド・アンバサダー
【フィニッシュ】】ポリウレタン・グロス・フィニッシュ

お問い合わせ: Mdrums(https://m-drums.com