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試奏レポート【MEINL】Byzance Series New Cymbals -Traditional Polyphonic Crash & Dual Trash China-
- Photo:Takashi Yashima Review:Takuya Yamamoto(bohemianvoodoo)
ナチュラル・カップ仕上げのポリフォニック
ポリッシュ&ロウが共存のデュアル
注目の新作が販売開始!
マイネルの2022年新作が次々と発売を開始! バイザンス・トラディショナル・シリーズには、カップをナチュラルに仕上げたポリフォニック・モデルに18″/19″/20″のクラッシュが登場。全体的に薄めに仕上げ、素早いレスポンスとディケイ、ダークなキャラクターを実現したという。
ロウ仕上げとポリッシュ仕上げが共存するバイザンス・デュアルには穴空きのトラッシュ・チャイナが追加。特有の存在感を持ちながら、短いサステインで他のサウンドを邪魔しないモデルになっているとのこと。
Review
Polyphonic Crash
あらゆる部位が余すことなく利用可能
“使い勝手が良い”クラッシュ・シンバル
18″、19″、20″と並べて試しましたが、どの個体もあらゆる部位が余すことなく利用可能で、使い勝手が良いシンバルです。口径を跨いだ共通のキャラクターもしっかりしており、マイネルらしい設計力の高さが十分に発揮されています。音色の方向性としては、所謂リッチでダークなタイプで、ディケイに対してリリースが短く、キレの良い部類に入るでしょう。ベルのサウンドは鋭い方です。
“使い勝手が良い”と表現しましたが、あえて”表現力が高い”としないのは、明確にクラッシュとして作られているためです。ボウのピング音がはっきりしていて、刻みにも使えるので、万能と言えば万能なのですが、あくまで“できることが多いクラッシュ”です。そういう意味では、クラッシュ・ライドとしてはかなり優秀ですね。先行して発売されているライド同様、他のシンバルと組み合わせることで、相手の表現力を拡張するような、良き相棒といったシンバル達です。
Dual Trash China
これ以上ない安定した音色
穴空きチャイナに求めるサウンドそのもの
第一印象として、穴空きチャイナに求めるサウンドそのものだな、と感じました。アタックの速さ、トラッシーなノイズ成分、鮮烈な音ヌケ、適切なピッチ感。どれをとっても、“これだ!”と感じる方が多いのではないでしょうか。音色はこれ以上ないくらい安定していて、唯一アタックに関して、エッジ側の柔らかめの音色と、反り返ったカーブの頂点の硬い音色という2択があるだけ、と言っても過言ではありません。この手の楽器が必要な現場では、とりあえずスティックを当てさえすればOK!という性質が、頼もしく、歓迎される要素なはずです。