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Rolandの電子ドラム=V-Drums&VADの新製品4機種が一挙発売
- Text:Isao Nishimoto
フラッグシップ音源と同等の
サウンド・エンジンを搭載した電子ドラムが新登場
ローランドから、V-DrumsおよびV-Drums Acoustic Designシリーズに新しいキット4機種=TD516、TD316、VAD516、VAD316が登場。心臓部となる音源モジュール2機種を中心に、それらを構成する新製品を紹介していこう。
※各キットの写真をクリックすると詳細を表示できます
◼️V51(音源モジュール)

※単体での販売は2026年1月を予定
高い表現力を持つフラッグシップ音源V71と同じサウンド・エンジンを搭載した、ミドル・クラスの音源モジュール。DWとの共同開発で生まれた高品位なサンプリング・サウンドに、ローランド独自のモデリング技術Behavior Modeling Technologyが加わり、極めてスムーズで自然なサウンドを実現している。ディスプレイにはV71と同じ4.3インチ・カラーLCDが採用され、機能的に配置されたボタン類や6本のフェーダーとの組み合わせで快適な操作が可能。パッドを叩かずに音色を確認できるPREVIEWボタンも装備された。
V-EDITを使った音色のカスタマイズはV71と同水準のクオリティで行えるほか、音色を素早く変更/調整できるSOUND MODIFYセクションも用意。多様なサウンド・コンテンツが定期的にリリースされるRoland Cloudも利用可能で、DWをはじめとするドラムの名器や、V-Drumsの歴代モデルなどのサウンドを本体にロードして使うことができる。
電子ドラムならではの練習機能として好評のコーチ・モードには、新たに「Phrase Trainer」「Stroke Monitor」「Blast Beast」の3つが追加。基礎固めから、高度なテクニック習得を目指すトレーニングまで、楽しみながら練習できる機能がさらに充実した。
また、任意の出力をアサインできる2系統のDIRECT OUTや、デジタル・パッドを接続できる3系統のDIGITAL TRIGGER INも装備。機能とサウンドの両面でフラッグシップ機に迫る音源モジュールとなっている。
◼️V-Drums Series:TD516
音源モジュールにV51を採用したV-Drumsシリーズのドラム・キット。スネア/ハイハット/ライドはデジタル・パッドを標準装備し、より自然な演奏表現に加えて、スネアのクロス・スティックや、ハイハット/ライドのタッチ・ミュートといった奏法にも対応する。タム・パッドは新たに開発されたPD-10P/PD-12Pで、3つのセンサーによる打点検出でレスポンスが向上。キック・パッドはKD-12、ラック・スタンドは新設計のモデルが用意される。
◼️V-Drums Acoustic Design Series:VAD516
音源モジュールにV51を採用したV-Drums Acoustic Designシリーズのドラム・キット。スネア/ハイハット/ライドはデジタル・パッドが標準装備され、スネアはストレイナーでスナッピーのON/OFFやテンション調整などが行えるPD-14DSX。バス・ドラムは新開発のKD-20-MSで、打面部分のサイズが従来モデルより大型化された。タム/フロア・タムを含めたフルサイズのウッド・シェルはミッドナイト・スパークル・フィニッシュを採用。
◼️V31(音源モジュール)

※単体での販売は2026年1月を予定
こちらもV71と同じサウンド・エンジンを搭載した音源モジュール。V51との違いはパネル上の操作子がシンプルに整理されている点や、入出力端子の数などで(DIRECT OUTはなく、DIGITAL TRIGGER INは1系統)、それ以外の核となる部分は共通している。新機能が追加されたコーチ・モードもV51と同様だ。なお、今回登場したV51/V31とフラッグシップ機V71はシステムが互換性を持つように共通化され、Roland Cloudを通じて提供されるサウンド・ライブラリーV-Drums Instrument ExpansionとKit Packも同一のものを使うことができる。
◼️V-Drums Series:TD316
音源モジュールV31を心臓部とするV-Drumsシリーズのドラム・キット。スネア・パッドは新しいモデルPD-12P(TD516でフロア・タムとして使用)で、リムとヘッドの叩き分けやブラシ奏法などの表現力が強化。タム・パッドは新設計のPD-8H/PD-10H、ハイハット/ライド/クラッシュはいずれも自然なレスポンスが好評の既存モデルを採用している。フラッグシップ・モデルのサウンドをコンパクトなサイズで楽しめるキットだ。
◼️V-Drums Acoustic Drum Series:VAD316
音源モジュールV31を心臓部とするV-Drums Acoustic Designシリーズのドラム・キット。スネアとタムはそれぞれVAD307で使われている浅胴タイプの木製パッドで、バス・ドラムはフルサイズ(18″×16″)のモデルを採用。シンバルの構成もVAD307と同様だが、クラッシュは12″と14″(VAD307は12″が2枚)、ライドは16″(VAD307は14″)とサイズアップ。省スペース設計ながら、アコースティック・ドラムの存在感と演奏感を味わうことができる。
V-Drums Accessories
※発売中のRSH-10を除き、各アクセサリーの単体販売は2026年1月を予定
◼️PD-12P/PD-10P(V-Pad)

TD716に採用されているPD-12X/PD-10Xのデザイン・コンセプトを継承した、12″と10″の薄型パッド。3基のピエゾ・センサーを搭載し、ホットスポット(センサーの真上を叩いたときに、意図しない大音量が出てしまう現象)の改善とレスポンスの向上を両立している。クローム仕上げのダイキャスト・フープに内側からハード・ラバーをセットすることで、より自然なリム・ショットの感覚が得られるのも特徴だ。
◼️PD-10H/PD-8H(V-Pad)

フラッグシップ・モデルのV-Padの演奏感とレスポンスを、コンパクトなV-Drumsに応用できるよう設計された10″と8″の薄型パッド。新しいラバー・リム・デザインはこちらもPD-12X/PD-10Xを踏襲したもので、頑丈なフープと共に力強いパフォーマンスをサポートする。
◼️KD-20-MS(バス・ドラム)
ミッドナイト・スパークル・フィニッシュが施された20″×16″のバス・ドラム。新しいセンサーを搭載して自然なレスポンスと正確なトリガリングを実現し、打面サイズも一回り大型化。フェルト・ビーターの使用時に打面を守るビーター・パッチKDP-5が付属する。
◼️MDS-Standard 3/MDS-Compact 2(ラック・スタンド)
TD516/TD316に推奨別売品として用意されるラック・スタンド。どちらも省スペース設計ながら、セットアップの自由度と安定性が向上し、従来モデルより大きなパッドと組み合わせて使うことができる。
◼️RSH-10
V-Drumsのラック・スタンドや一般的な三脚スタンドに取り付けられるスマートフォン・ホルダー。取り付け角度は2つのボール・ジョイントで幅広く調整でき、タテ/ヨコ両方のセッティングが可能なマグネット式クランプを採用している。
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