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    博士 山本拓矢が試した【2024年7月号】のNEW PRODUCTS!〜ZILDJIAN Z Custom Series is back!〜

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    • Review:Takuya Yamamoto[bohemianvoodoo]

    ジルジャンZカスタム
    製造工程も見直した
    “現代仕様”で15年ぶりの復活!

    1993年から2009年まで製造されたジルジ ャンのZカスタム・シリーズが、多くのリクエストに応え復活!

    もともとメタル・シーンでの使用を想定し開発されたZカスタム。今回の復活に伴い製造工程を見直し、耐久性や演奏性がさらに向上しているとのことで、現代に適応した仕様にアップデ ート。ヘヴィ・デューティーにも対応した改変がなされた。

    ハイハットは14″&15″、クラッシュは16″~ 20″まで取り揃えられるなど、豊富なサイズ・バリエーションとラインナップを誇る全14品番の中から、今回はオーソドックスな6モデルを検証した。

    ◎試奏ラインナップ(全モデルはこちらから)

    ※各画像からレビューへ飛べます。

    14″ HiHat Top ¥39,600
    NZZLC14HHT(Medium Heavy)
    14″ HiHat Bottom ¥39,600
    NZZLC14HHBM(Heavy)
    16″ Crash ¥47,300
    NZZLC16C(Medium)
    18″ Crash ¥56,100
    NZZLC18C(Medium)
    18″ China ¥58,300
    NZZLC18CH(Medium Thin)
    20″ Ride ¥62,700
    NZZLC20R(Heavy)
    21″ Mega Bell Ride ¥68,200
    NZZLC21MBR(Extra Heavy)

    Review

    メタル以外でも活躍できる懐の深さ
    現代の音楽性を反映させた
    ジルジャンらしい仕様変化

    HiHats

    明るくパワフル、ステージでの音ヌケは抜群、しかし、想像よりはるかに柔らかな感触で、引き出せる音色にも十分に幅が設けられています。メタルをはじめとしたエクストリームな音楽に限らず、ある程度の音量が必要な現場では幅広く活躍できると思われます。伸びやかに鳴りますが、キレは良く、ドライではありませんが、鮮明かつ輪郭がハッキリしており、単なる復刻ではない、新しい時代のZ Customと言えそうです。トップに異なる楽器を合わせて、次世代のK/Zハイハットのようなものを試してみても面白いでしょう。

    Crashes

    今回のZ Customシリーズの中で、最も驚いたのがクラッシュでした。往年のハードな楽器を想像して鳴らしてみたところ、パワフルさは期待通りかつ、音色の奥行きや、ボリュームのレンジが格段に広がった印象です。ジルジャンらしい音色を強く感じたので、合金の重要性を再認識しました。シリーズを統一して揃えるのはもちろん、現在、大きな現場でA Customのプロジェクション・クラッシュあたりを使っている方にも試してみていただきたい、スムースさとボディ感です。サイズが豊富なのも素晴らしいですね。

    Ride

    ハイハットやクラッシュ同様、汎用性を感じるバランスです。さすがに、このウェイトでクラッシュするのは難しいですが、闇雲に硬くてパワフルというわけではなく、コントロール性は良好です。Aのアース・ライドが廃番になったため、現時点では、このモデルが最もヘヴィなライドに相当するそうです。ブリリアント・フィニッシュ由来の、チップが当たった瞬間の高域の豊富さと、そこに続くカドが取れた響き、そして、このウェイトによって、鮮明なパルスやフレーズを自在に奏でることができます。

    Mega Bell Ride

    ウェイトは Extra Heavy ということで、 Heavyとされている同ライドより明らかに重いのですが、カタログによると最も重いライドはZ Custom Rideだそうです。もはやライド・シンバルの枠には収まらない、別カテゴリの楽器ということなのでしょうか。機能に特化した強烈なボリュームです。ジルジャンからはブラスト・ベルやジル・ベルなど、いくつか単品ベルも発売されており、大きなベルの楽器にも根強いニーズがあるようです。

    China

    ドラム・セットにおいてのチャイナ・シンバルを突き詰めていった結果として、1つの結論のような楽器です。極めて大音量で、明るく素早いアタックとクリアなディケイが特徴です。チャイナ特有の響きがあるので、クリアという表現には語弊があるかもしれませんが、エフェクト分野で競合する穴空きシンバルが登場して約20年、ノイジー、トラッシーな楽器が増えた現代では、このチャイナ・サウンドにもクリアな響きを感じられます。ここ一番での爆発的なアクセントという観点では、このようなチ ャイナにしか出せないものがありますね。

    Total Impression

    往年のサウンドを復刻してほしいというニーズに対し、どのようなリニューアルが施されているのかが1つの焦点でしたが、2013年のAジルジャンのリデザインを思い起こす、現代の音楽性を反映させた、ジルジャンらしい変化でした。しなやかさによって耐久性を上げていると思われ、メタルに特化しつつも、隣接するジャンルでも活躍できる、懐の深さも持ち合わせています。全体的にウェイトがあるため、シンバルらしい響きを引き出す上で必要なパワーのレンジが大きい方に移動しています。このようなシンバルにおけるパワー感で、タムやスネアなどのタイコ類を鳴らすと、また違った表情が出てくるのは、ドラムの面白いところですね。


    製品ページhttps://zildjian.jp/z-custom/z-custom.html
    お問い合わせ:ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンターギター・ドラムご相談窓口(☎0570-056-808)