GEAR
UP
博士 山本拓矢が試した【2024年4月号】のNEW PRODUCTS!〜SABIAN STRATUS Series Cymbals〜
- Review:Takuya Yamamoto[bohemianvoodoo]
- Photo:Takashi Yashima
Review
自然で新鮮なサウンドは
幅広いドラマーに体感していただきたい
●Hats
高さとカーブを抑えたフラット気味なシェイプ、どちらかといえばワイドなレイジング、 AAX系のハンマー形状、HHX 系のハンマー間隔と量、十分な差が設けられた上下のウェイト。
明確なアタックはありつつ、ややダークなトーンを持ち、スティックやペダル・ワークにも程良く追従してくれて、使いやすそうな印象です。近頃は、ダークでドライな楽器が幅広く普及しているので、最もスタンダードなAA が明るすぎると感じる場合、ちょうど良い塩梅かもしれません。HHXやArtisanと比較しても引けを取らず、選択肢になり得ます。
●Crashes
基本スペックはハイハットと同様です。ハイハットと比較すると、少々あっさりしていると感じるかもしれませんが、このトーンのクラッシュがこの価格で手に入るのは、ありがたいですね。
シンバルの製法上、ダークでウォームな音色を実現しようとすると、どうしてもコストがかかる傾向がありましたが、その壁を打ち破ったシリーズと言えそうです。
薄めのクラッシュを消耗品として使用せざるを得ないようなプロの方にも勧められそうです。
●Ride
ベルに厚みがあり、ボウはやや薄め、エッジもそこまで厚みはなく、ライドではありますが、クラッシュも可能なので、もう少しマルチに使えそうな印象です。
暴れすぎないようにコントロールされたウォッシュが印象的な、落ち着いた爽やかなトーンです。音色には温かみもありますが、どこかクールで、SABIANアロイの個性が感じられます。
タッチへの応答性もよく、アーティキュレーションの習得にも適した要素があります。
●Zero/Chinese
シリーズ内で、厳選された2種のエフェクト・シンバルが利用可能です。
Zeroは所謂穴空きシンバルで、O-Zoneとは異なるホール・パターンに由来してか、コントロール性が良好で、利用できる音色の幅が広めになっています。
Chineseは、素早いアタックとディケイを備えた伝統的なトーンであり、それぞれがうまく棲み分けできています。扱いに困るクセがなく、他のシリーズとも自然にブレンドしてくれそうです。
●Total Impression
セイビアンは、自社製の合金を用いたインゴットに対して、どんなプロセスの加工を施すと、どのような楽器に仕上がるか、といった研究や開発の流れがしっかり確立されていると感じられます。
ウォームなウォッシュをフィーチャーした、自然で新鮮なサウンドは、ビギナーからプロフェッショナルまで、幅広いドラマーに体感していただきたいです。
GEAR SPEC
Hats 14″ STR-14THH(トップ)/STR-14BHH(ボトム) ¥29,700(トップ/ボトム共通)
15″は¥33,000(受注生産品)
Crashes 16″ STR-16CR ¥37,400/18″ STR-18CR ¥43,450
20″は¥51,150(受注生産品)
Rides
20″ STR-20R ¥51,150
22″は¥61,050(受注生産品)
Zero 18″ STR-18ZERO ¥43,450
Chinese
18″ STR-18C ¥43,450
製品ページ:HP
お問い合わせ:パール楽器製造株式会社 テクニカルサポート(☎047-450-1090)