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試奏レポート【KOIDE CYMBALS】“Cadence” Series Cymbals
- Review:Takuya Yamamoto Photo:Takashi Yashima
Review
※表示価格はすべて税込です。
Ride(20″ Medium/20″ Medium Thin)
美しい外観を裏切らない
広いレンジと複雑な響き
深く大きなハンマリングが目を惹く美しい外観は、広いレンジで複雑な響きを持ったトーンを期待させてくれますが、それを裏切らない、深みのある素晴らしいサウンドです。
カップからボウとの境目までの処理に特徴があり、ボウで稼いだ複雑な成分と、カップから生まれるクリアでパワフルなそれとが、見事にブレンドされています。この仕様がクリアでダークな響きを実現しているのでしょうか。
特に、Mediumのバランス感は秀逸で、パワフルなカップ、強い芯のあるボウ、ナチュラルなエッジが、ストレスのない演奏感をもたらしてくれます。Medium Thinはきちんと薄く仕上がっており、タッチへの応答性が高くなっています。一方で、カップのパワー感はMedium並みなので、バランスにややクセを感じますが、爽快感のあるトーンのボディはこの組み合わせならではのものなので、楽器の特性として理解して使いこなすべき個性だと感じました。
SPEC & PRICE
※重量はすべて編集部による実測値
Crash(18″ Medium/18″ Medium Thin/16″ Medium/16″ Medium Thin)
触った瞬間に全体が振動するような
立ち上がりの速さでハンマリングの効果を実感
ライドと共通の深く大きなハンマリングに加え、立ち上がりの速さと、耐久性の向上を目的として、ハンド・ハンマリングが施されているそうですが、外観には大きな違いはなく、同一シリーズとして違和感のない仕上がりになっています。
サウンドはライド同様にクリアかつダークであり、タッチ次第でそれぞれを自然に混ぜることも分離させることもできます。ボウをチップで叩いてみるとよくわかるのですが、ハンマリングとシェイプの違いによるものか、触った瞬間に全体に振動が行き渡るようなスピード感があり、これが立ち上がりの速さと呼ばれるものの正体なのか、と実感できます。
ウェイト毎の16″と18″の音程差に個体差の鱗片が感じられ、素材の特性や持ち味を生かした作りであることに好感が持てます。楽器の選択は音楽ありきではありますが、個人的にMediumの18″と、Medium Thinの16″という組み合わせが気に入りました。
SPEC & PRICE
※重量はすべて編集部による実測値