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アメリカの工房で生まれたPearlの単板スネア=MUSIC CITY CUSTOMの厳選モデルが入荷|博士 山本拓矢が試したNEW PRODUCTS

  • Photo:Takashi Yashima

Pearl
MUSIC CITY CUSTOM
-USA Solid Shell Snare Drums Limited in 2025-

Pearlより、アメリカ・ナッシュヴィルの専用工房で職人が作り上げた単板スネアの厳選品が国内入荷! シェルはメイプル/ウォルナット/アッシュの3種類。1台ずつ丁寧に仕上げられており、インレイや木目を際立たせる浮造りなど、それぞれこだわりのフィニッシュが施されている。

すべての個体にメイプル製のレインフォースメントを備え、フープやスナッピー、スイッチなどのパーツはすべて共通。自然な鳴りと豊かな響き、そして芯のあるサウンドを実現しながら、純粋なシェルや深さの違いを楽しめる。いずれも12月下旬発売予定。

未来のヴィンテージたりうる芯の強さ
豪奢なフィニッシュの中にも木材の個性が感じられる

信頼性の高いシンプルなストレイナーと、適度なパワーと輪郭をもたらす2.3mm厚のフープは、流行に左右されない、永くつき合える楽器であることを予感させます。一方で、小ぶりながら2本のボルトでしっかりと固定されたスウィーベル・ラグや、ステンレス製のテンション・ボルトなど、最新の楽器ならではの要素もあり、懐古趣味一辺倒ではない、未来のヴィンテージたりえる、芯の強さがあります。

手に触れる部分の処理や、滑らかなテンションボルトの感触など、丁寧な仕上げから、確かなクラフトマンシップが感じられます。5種まとめて試したことで見えた特性を掘り下げてみましょう。

まずは5″のメイプルですが、他を圧倒する眩しいほどの明るさが印象的です。音の広がりと伸びの良さは、高級感に溢れていますね。音同士がなめらかにつながるので、スラーのようなアーティキュレーションの表現や、グラデーションやボカしといったニュアンスを帯びた演奏にはもちろん、研ぎ澄まされた1打にも適性を感じます。

アッシュは、ドライさを感じる素早く力強いアタックと、それに続く、美しく心地良い響きが特徴的です。単板シェルは個体差が生じやすい傾向がありますが、深さの差分程度の幅に収まっており、素材の特性がはっきりと感じられました。適度な明るさと、細かいフレーズも忠実に再現してくれるスピード感のあるツブ立ち、チューニングを上げ下げしてもキャラクターが一貫している点は、使い勝手が良さそうです。

最後はウォルナットです。異なる材を用いた、豪華で大胆な装飾が施されていますね。音色への影響も垣間見えますが、アッシュ同様に、ベース材の個性は確かに感じられます。ローからミッドのチューニングにおける、充実した中低域とパンチの効いたアタック、パワフルな振る舞いは、共通したキャラクターです。ピッチを上げていくと、クリアで上品な響きが前面に出てくる点も印象的でした。