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    【Rest In Peace】マイルスを支えた“名脇役”、ジミー・コブ急逝

    マイルス・デイヴィスの『カインド・オブ・ブルー』、ジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップ』など、ジャズの歴史に残る名盤にその名を刻んできたレジェンド・ドラマー、ジミー・コブが肺癌のため去る5月24日にこの世を去った。享年91歳。

    ジミー・コブは1929年1月20日生まれ。ワシントンD.C.出身。高校時代にドラムを始め、卒業後よりプロとしてのキャリアをスタート。地元を中心にレオ・パーカー、ビリー・ホリデイらとのセッションで腕に磨きをかけ、22歳でニューヨークへ進出。1958年にマイルス・デイヴィスのグループに参加し、5年に渡って活躍。モード・ジャズを確立したと言われる『カインド・オブ・ブルー』でのプレイはあまりに有名だ。

    グループ脱退後は、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバースと共にウィントン・ケリー・トリオを結成。ケリーがこの世を去った1971年まで同トリオを中心に活動を展開。その後も名脇役として、さまざまなアーティストを支え続けた。

    1960年3月28日、西ドイツのデュッセルドルフで行われた公演の模様。
    共演ミュージシャンは、ジョン・コルトレーン(sax)、ポール・チェンバース(b)、ウィントン・ケリー(p)。
    演奏しているのはジョン・コルトレーン『ザ・テーマ』。

    本誌で最後にジミーをフィーチャーしたのは、2012年2月号でのこと。マイルスへ捧げるリーダー・アルバム『リメンバリング・マイルス〜トリビュート・トゥ・マイルス・デイヴィス』を引っさげて来日を果たしたタイミングで対面インタビューが実現。マイルスとの思い出を振り返り、「私のやるべきことはあくまでも、拍子を明確にして、演奏をスウィングさせることだった」と名脇役ならではの言葉を残していたのが印象的であった。

    心よりご冥福をお祈りいたします。