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Interview – オマー・ハキム[オズモシス]

  • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:©Louis Myrie/Groovesmith Ltd Special Thanks:Blue Note Tokyo

“みんな演奏を聴くだけじゃなく、プレイを感じる必要があるんだ!”というヴィクターの言葉が、今一度活発に動いてツアーをやるきっかけをくれたんです

伝説のグループ、ウェザー・リポートのドラマーに23歳という若さで抜擢され、解散後はセッション・ドラマーとして、スティング、デヴィッド・ボウイ、ダフト・パンクらの名曲にそのグルーヴを刻んできた達人、オマー・ハキム。昨年60歳の節目を迎えた彼が、新たに結成したスーパー・プロジェクトがこのオズモシスだ。本来であれば4月にブルーノート東京で日本での初ライヴを披露する予定だったのだが、新型コロナ・ウイルスの影響で延期に。ここでは公演用に行われたオフィシャル・インタビューの中から、オマーが本誌のために答えてくれた内容を公開する。

何があろうとも私は音楽についていく!

●音楽/楽曲が第一ということを承知の上で、OZMOSYSのライヴにおけるドラマー的な注目ポイントを教えてください。

オマー お気に入りのミュージシャンをYouTubeなどのウェブサイトで聴くことにみなさんの関心が集まっているようですが、同じ場所で一堂に会するあの体験は何ものにも代えられません。大事な友人で驚異的なベース奏者だったヴィクター・ベイリーが、2016年に亡くなる前に私に、とても興味深いことを言っていました。ヴィクター曰く「オマー、やっぱりできるだけ人前に出て行って演奏しなきゃいかん。みんな演奏を聴くだけじゃなく、プレイを感じる必要があるんだ!」と。彼の言葉は私の胸を打ち、その通りだと思いました。今一度、活発に動いてコンサートやツアーをやることを考えるきっかけを、彼がくれたんです。

●新作『Eyes to the Future, Vol.1』でも聴ける、表情豊かなシンバル・ワークもライヴの見どころの1つになると思いますが、シンバルを演奏する上で心がけていることはありますか?

オマー シンバルは私にとって、ドラム・セットが持つオーケストラ的な性質の一部で、音楽に合わせて色合いの選択肢があるのはうれしいことです。なので、シンバルの選び方と使い方には、かねてから大いに気を遣ってきました。

あなたのバネを感じさせるような独特のタイム感に憧れるドラマーは多いですが、あのタイム感は天性のものなのでしょうか? それとも練習して身につけたものなのでしょうか?

オマー 私の場合は①神に与えられた才能と、②常に発展と成長と、さらには感謝をもってその才能を敬い、生かすこと……その組み合わせです。

ここまで第一線で続けてこられた原動力は何だったと思いますか?

オマー それは非常にシンプルで……何があろうとも私は音楽についていく! それが私を導く光であり、生涯この旅路を進み続ける上での励みです。

最後に日本のドラマーにメッセージをお願いします!

オマー 次回の訪日で、みなさんとお会いするのを楽しみにしています。お友達をみんな連れてきてください、音楽の冒険を共に体感して楽しみましょう! みなさんとOZMOSYSとで!!

OZMOSYS:リンレイ・マレト(b)、オマー・ハキム、レイチェルZ(key)、カート・ローゼンウィンケル(g)

◎Profile
オマー・ハキム(Omar Hakim):デヴィッド・ボウイ「レッツ・ダンス」、ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」など数々のポップス・ヒットでも名演を繰り広げた稀代のグルーヴ・マスター。NYに生まれ育ち、5歳からドラム演奏を開始。カーリー・サイモンのバンドで頭角を現し、82年から85年にかけてウェザー・リポートで活動、その後スティングの最初のソロ・プロジェクトのドラマーに迎えられた。オズモシスは、“The Trio Of OZ”や“The OZ Experience”に続く妻レイチェルZとの共同ユニット。

◎Information
Omar Hakim HP
OZMOSYS HP