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    Report – 恒岡 章 “AKIRA 50%”

    • Text:Shinichi Takeuchi
    • Photo:Takeshi Maehara

    まさかの即席ドラム教室から
    ソロ・ライヴがスタート!

    6月4日、恒岡章が東京渋谷7thFLOORにてソロ・ライヴ“AKIRA 50%”を開催した。1日に50歳の誕生日を迎えた恒岡が、人生の節目をファンと共に祝おうという趣向である。

    事前にSNSなどで「開演30分前くらいからドラム演奏などゆるく始める予定です」と告知していたが、開演時間の30分ほど前になると、1タム&2フロア・タムというセッティングのDWのキットが置かれたステージに恒岡が登場。「まずは、個人練習のときにどんなことをやっているかを見せたいと思います」と、いきなりマニアックかつドラマーであれば興味津々な“企画”に突入した。「今日は自分のセットを組んでいますけど、いつもはスタジオのセットを使うので、イスの高さやシンバルの位置を調整したり〜」……“練習を再現って、そこから!?”と驚いたのも束の間、「やってみます?」と、最前列に座っていた女性をステージに上げて、即席のドラム教室に。女性はドラム未経験のようだったが、「まずはハイハットを4回叩いて……」と、恒岡は丁寧に教えていく。言われるがままにやっていた女性も次第に楽しくなってきた様子だった。続いて「いつものウォームアップを」と、アルバート・アイラー・トリオのフリー・ジャズ曲を流し、それに合わせてドラムをプレイ。ゆっくりと叩き始めたかと思うと、突如、火がついたように激しさを増していく。「いつも祈りを捧げるように、音楽の中に入り込んで叩いている」と語っていたが、その言葉通りの熱演だった。

    summertime(恒岡 章/村田シゲ)& 奇妙礼太郎

    この段階でもう大満足なのだが、ここからが本番。ユニット=summertimeでタッグを組む村田シゲとミニマルなインスト・ナンバー「七対六」でスタートすると、2nd EP「Cairo」に客演した奇妙礼太郎を加えて、参加曲「轍のうた」と中島みゆきのカヴァー「誰のせいでもない雨が」の2曲をプレイ。どちらも奇妙の伸びやかな歌声が映えるしっとりとした曲だったが、恒岡はハンド・チャイムやベル、そして素手での演奏なども織り交ぜつつ、奇妙の呼吸を感じ、その息遣いに呼応するかのような丁寧なドラミングで魅せた。

    L→R:恒岡、柿沢健司、會田茂一

    続いては會田茂一とのセッション。柿沢健司がフルートで加わった「Places & Spaces」をたおやかに聴かせると、「ツネちゃんのファンキーな面が出れば」と會田がリクエストしたというスライ&ザ・ファミリー・ストーンのカヴァー「Runnin’ Away」を賑やかにキメて、最後はデュオで「NO NORMAL☆彡」。恒岡はキックを踏みながらタンバリンを叩いて空間を彩ると、サビではスティックに持ち替えて躍動感溢れるビートを叩き出す。静から動へのコントラストが見事だった。

    ライヴ後半戦のレポートは次ページ