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シド ゆうやによるオンライン・サロンの現場に潜入!「シド ゆうやにドラム習ってみませんか?」- Report

  • Text:Rhythm & Drums Magazine Photo:Tetsuro Sato

新型コロナウイルスの流行下で、プロ・ドラマーがオンラインを活用したレッスンをスタートさせ、アマチュアのプレイヤーが憧れのアーティストに直接ドラムを習う機会が増えている。オンライン・レッスンでは、どのようなレクチャーが行われているのだろうか? 今回はその一例として、今年2月にオンライン・サロンを開講したシドのドラマー、ゆうやの配信現場への潜入レポートをお届け! 

1曲につきアドバイス動画は12本!
レベル別に課題曲の解説を行うオンライン・サロン
「シド ゆうやにドラム習ってみませんか?」

長引くコロナ禍の影響により、在宅環境でも手軽にドラムを学べることから、高い需要を保っているオンライン形式のドラム・レッスン。今回は、現場で活躍するアーティストが行うレッスンの内容に迫るべく、V-ROCKバンド=シドのドラマー、ゆうやが今年2月から1年間限定で開講しているオンライン・サロン「シド ゆうやにドラム習ってみませんか?」の配信現場へ潜入。気になるその内容をレポートしていこう!

このオンライン・サロンでは、毎月ゆうやがシドの楽曲を課題曲として設定し、初級編/中級編/上級編と段階を踏みながら、1曲分のプレイを1ヵ月間で詳しく解説していく内容となっている。月初めにマルチ・アングルで撮影された課題曲のデモ演奏動画をアップしたあと、1曲につき12本のアドバイス動画と月3回のライヴ配信を通して、課題曲を叩くポイントを軸に、ドラムの基礎知識〜応用まで幅広くレクチャーしていく。

編集部が取材に訪れた7月29日の配信現場には、愛器であるパールのMasters Mapleを核としたハイブリッド・キットがスタンバイ。このサロンのライヴ配信では、基本的にパールのエレクトロニック・ドラム=e/MERGEを用いているとのことだが、毎月末に課題曲の上級編+レッスンのまとめとして行うフル・コーラスでの模範演奏の際は、必ず自身のアコースティック・ドラムを使用するのだという。

▲気さくなトークと共に、楽曲解説を行うゆうや。受講者からのコメントも随時拾いながら、臨機応変にアドバイスを行う。

ゆうやがセットに座り、配信時刻を迎えると、カメラの向こうの受講者達に向けてさっそくトークを開始。手始めにドラムのサウンド・チェックということでシドの楽曲「hug」をプレイし、受講者達からリアルタイムで届くコメントとのやり取りを挟んだところでいよいよレッスンがスタートした。

▲課題曲のマルチ・アングル映像はYouTubeチャンネルとも連動。

7月の課題曲は、TVアニメ「マギ」の主題歌としても話題となった「V.I.P」(2013年リリース)。その上級編+まとめの配信となる今回は、手始めに前回までのレッスンのおさらいとして、マイナスワン音源に合わせたお手本の演奏も挟みながら、Bメロとギター・ソロ部分のリズム・パターンを解説。曲中の複雑なシンコペーションなど、難易度の高いフレーズについては、リズムを口ずさんだり、ゆっくりとしたテンポで手順を見せながら丁寧にアドバイスしていく。

▲キット周辺にはカメラが複数台設置。配信画面ではキット正面/奏者左側/背面/足元を捉える映像がリアルタイムで切り替わるため、受講者はゆうやのプレイを詳しく見ることができる。

解説後半に設けた質問コーナーでは、バス・ドラムを踏む力加減や、スティックを振り上げるときの高さ、さらに、タム回しをよりスムーズに行うための手首の使い方など、スムーズに演奏するためのポイントや、リズムのハネやアクセント移動の方法などもわかりやすく解説。時にクリック入りの楽曲のマイナスワン音源を再生して、自分は演奏せずに、受講者がその場で曲に合わせて実践できる時間を設けるなど、一方通行のレッスンにならないような工夫も垣間見える。

ドラムで気になることや知りたいことがあれば、配信中にコメント欄から直接ゆうやに質問を投げかけることも可能で、ゆうやは随時届く受講者からの質問にランダムに対応。「演奏していると、この部分でリズムがずれてしまう」という相談には、“曲を止めないこと”を最優先に考え、少し簡単なリズムにアレンジして演奏する方法や、クリックを聴きながら同じ箇所を繰り返し演奏する練習方法を勧めるなど、質問者のスキルに応じてアドバイスを贈っていた。

奏法解説に加え、機材の紹介も充実しており、新しく導入したというジルジャンの6″ FX Stackをはじめとするスタック・シンバルや、ボンゴの音を再現したV-Drumsのエレクトロニック・パッドを実際に叩き比べて、音色のバリエーションを聴かせてくれた場面も印象的。質問コーナーを経て、終盤にはまとめとして「V.I.P」をフル・コーラスで生演奏。翌月の課題曲を発表すると、最後に時間の許す限りコメントへのリアクションを行い、この日のレッスンは終了となった。

ライヴ配信という環境を最大限に生かし、事前準備した楽曲解説コンテンツ+リアルタイムで流れてくるさまざまな質問へのアドバイスを通して、ドラムを学ぶプレイヤーの好奇心に応えていくゆうやのオンライン・サロン。充実のアーカイヴ映像は、サロンの会員であればいつでも視聴可能ということなので、興味のある方はぜひ詳細をチェックしてみてほしい。

Message from
ゆうや[シド]

“手っ取り早く上達できるように”というのが
俺の中でけっこう強いコンセプトです

ゆうや:このサロンを始める前は、コロナ禍でこういう事態になる前のタイミングでYouTubeチャンネルを開設していろいろな動画をアップしていました。

そこではドラム以外の分野でいろいろなバラエティに挑戦してきたんですけど、見てくれているお客さんから「普通にドラムを叩いたらいいんじゃないですか?」という意見をもらうこともあって。

せっかくドラムをやるんだったら、発信方法の1つとして、YouTubeとも少し連動するようなレッスンをやってみようと思ったのがこのオンライン・サロンを始めたきっかけですかね。

ドラムは僕もまだまだ一生懸命やってる最中ではあるんですけど、このサロンでは、リスナーのみなさんにドラムを学ぶ“近道”をさせてあげたいなと思っています。僕も初心者だった時代にいろいろな曲をコピーする中で、ご本人がどうやって叩いているのかがわからなすぎてけっこう苦労した経験もあって、“当時、こういうレッスンがあったら良かったな”と思うことをやっているんです。

サロンでは、毎月シドの楽曲を課題曲に設定していて、2月にスタートしてから今までに6曲くらいレクチャーしてきました。初級編の配信では、楽曲のBPMを-40くらい、中級編では-20くらい落とした状態、上級編は原曲通りのテンポでプレイしています。配信とは別に初心者向けの簡単バージョンも作ったりと、どんなレベルにも対応できるようなコンテンツを用意しているんです。

“手っ取り早く上達できるように”というのが、俺の中でけっこう強いコンセプトですね。リスナーさんには、配信を見ながら真似してもらうことで、どういう演奏かがより伝わりやすくなると思います。

サロンをやっているとめちゃめちゃ面白くて、もしかするとドラムってすごくオンライン・レッスン向きな楽器なんじゃないかなと思うくらいです。リスナーさんがドラムの演奏動画をアップしてくれて、それを僕が採点するっていう教え方もしているんですよ。

Profile●ゆうや:12月9日生まれ、千葉県出身。03年にシドを結成し、ドラム/作曲を担当。08年に「モノクロのキス」でメジャー・デビュー。2021年5月に河口湖ステラシアターでスペシャル・ライヴを開催。7月にはTVアニメ「天官賜福」のオープニング・テーマ「慈雨のくちづけ」を配信リリースし、9月から全国ツアーがスタートする。バンド活動の他、お笑いコンビ「おかゆ」としてもライヴを開催。19年12月にYouTubeチャンネル「ゆチャン」を開設するなど、バラエティ豊かな活動を行っている。

これまでに投稿した動画は、今からサロンに入会してくれた人でもアーカイヴで全部見られる状態になっています。今後は、このコンテンツを続けてアーカイヴを貯めていきながら、いずれこの状況が落ち着いた頃に、オンラインだけでなく、会場に来てもらう形のレッスンもやれたりしたら面白いんじゃないのかなって思いますね。夢は広がるばかりです(笑)。

◎Information
シド ゆうやにドラム習ってみませんか?


【概要】
シドのドラマー、ゆうやが1年間限定で行うオンライン・ドラム・レッスン。シドの楽曲を課題曲に設定し、⽉初めに、模範演奏のマルチアングル映像を投稿。本⼈が電⼦ドラムとアコースティック・ドラムを使いながら、これまでに「モノクロのキス」、「2℃⽬の彼⼥」、「嘘」などのヒット・チューンのドラミングを解説(⽉1曲ペース)。楽しく曲を叩けるようになりながら、基礎も⾝につくオールインワンなオンライン・サロン。

【動画内容】
・マルチ・アングルでの課題曲フル演奏動画
・アドバイス動画(1曲あたり12本)
・生配信(月3回:初級編/中級編/上級編)

⇨過去のアーカイヴ動画もすべて視聴可能

【費用】
⽉額 ¥4,100(税込)

▼詳細はこちら
シド ゆうやにドラム習ってみませんか?(DMMオンラインサロン)