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    【Interview】yukihiro[Petit Brabancon]〜2nd EP「Seven Garbage Born of Hatred」の制作と共に語られた独自のサウンド・ルーツ

    • Interview & Text:Rhythm & Drums Magazine Interview Support:Isao Nishimoto
    • Artist Photo : Victor Nomoto(METACRAFT) Live Photo : Yuki Kawamoto

    うまくつながるかどうかは
    最初から最後まで
    叩いてみないとわからない

    続いて、今作の収録曲についてうかがいます。今作の楽曲は、1st EPからは一転して、ヘヴィかつ激しさのある楽曲が目白押しのラインナップになっていますが、収録曲の方向性はあらかじめ決まっていたんですか?

    yukihiro EPの方向性みたいなものは、メンバーと選曲をする段階で決まっていきました。

    ●M1「move」は、yukihiro さんによる作曲ですね。前作のSE「mind-blow」はご自身が手を挙げて担当されたとのことでしたが、今回も同じような流れで引き受けたのでしょうか?

    yukihiro 「move」は、まずは曲のテンポと、4つ打ちというのを決めてから作り始めました。音色はRoland TR-909のものです。

    ロート・タムのピックアップ・フィルが印象的な「BATMAN」は、ライヴで演奏されてきた曲を初めて音源化したものですよね。

    yukihiro そうです。ライヴで演奏する中で、“ここにこういうパートが欲しい”というようなアイディアがメンバーから出てきていたので、それを生かしながらアレンジして形にしていきました。

    ●スネアの4つ打ちになるセクションでは、遠くでブレイクビーツが重なっているのも印象的でした。

    yukihiro ブレイクビーツは、作曲者のミヤ(g)君のデモの段階からアイディアとして入っていて、そのフレージングを僕が差し替えました。

    ギター・リフから始まる「眼光」は、今作でも特にスネアの倍音がよく響く印象がありました。叩き方で変化を出すようにしたのでしょうか?

    yukihiro この曲は、音がヌケて聴こえるように意識して叩きました。もともとギター・リフにも隙間がある曲なので、それも倍音の聴こえやすさにつながっていると思います。リズム・パターンは、同じリフが繰り返されるのに対して、ドラムの中でも特にキックの音数を変化させて展開を作っていこうと思ってアレンジを進めていきました。

    ●yukihiroさん作曲の「a humble border」は、シンセのシーケンスと、ドラムのヘヴィな2ビート・パターンとのコントラストが印象深かったです。この曲の制作は、どのような流れで進めていったんですか?

    yukihiro まずはドラムでテンポを決めてから、ギター・リフを考えて、そこにシンセを入れていきました。メタル・パーカッションの音をシーケンサーで打ち込んで、曲の途中で鳴らすという展開も、作曲の最初の段階で決めていました。

    他のメンバーには、どのようにアレンジしてほしいとリクエストしましたか?

    yukihiro この曲はギター・リフから作ったので、ギターのアレンジは基本的にデモの形を生かしてもらうようにリクエストしました。ベースもそのリフに沿う形で考えてもらって、ギター・リフが抜けても、そこでベースが(ギターと)同じように鳴っているというセクションを含めた構成になっています。ヴォーカル・パートに関しては、京君にお任せしていました。

    ヘヴィながらキャッチーな印象の「Mickey」では、yukihiroさんのシャッフル・ビートが新鮮でした。随所にスネアの“ダダッ”という1拍フィルも入りますが、あるセクションだけ2拍フィルになったりもしていて、アクセントとして効果的だと思います。これはyukihiroさんのアイディアで変化をつけたんですか?

    yukihiro 曲の流れを意識しつつドラムの展開も考えて作業しました。録っては聴いてを繰り返しながら、どういうアプローチにするか最終形を決めていきました。

    曲を通しで録りながら、いろいろなリズムを試していくというやり方ですよね。ストイックな作業だと思います。

    yukihiro  リズム・パターン自体はセクションごとに考えて組み立てているんですけど、それがうまくつながるかどうかは、最初から最後まで叩いてみないとわからないところもありますし、 “ここではいきなりこういうふうにスイッチできないな”というアプローチが出てきたりもするので。通しで叩いてみて、流れを作っていく方がいいと思っています。

    ●Petit Brabanconはライヴの本数も年々順調に増えていて、9月には今作のリリース・ツアーも控えています。今、ライヴでメンバーの方と合わせる上での意識については、結成当初と比べて変化は感じますか?

    yukihiro レコーディングは別々に録っているので、ライヴのリハーサルで初めてメンバー全員で音を合わせることがほとんどなのですが、それも慣れてきましたね。でもリハーサル初日のドキドキ感は変わってないかな。