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かみじょうちひろ[9mm Parabellum Bullet]『TIGHTROPE』リリース・インタビュー

  • Interview:Satoshi Kishida

今回は全曲
自分でチューニングして
レコーディングしたんです

9mm Parabellum Bulletが3年ぶり、そして“9”枚目となるアルバム『TIGHTROPE』をリリース! 烈火のごとく攻め立てるアグレッシヴさと艶やかさが絶妙にバランスした本作には、コロナ禍の閉塞感に向けられた楽曲なども収録。かみじょうちひろの重厚かつ豪放なドラムも見逃せない。今回はアルバム制作に加え、かみじょうのドラマーとしての現在に迫った。

昔に比べたら100倍くらい
タッチとかに気を遣っています
ちょいエロさとか出せるようになりました

●今作『TIGHTROPE』はどのようにレコーディングを進めたのですか?

かみじょう 今回も各パートごとに録りました。今までと変化したことといえば……全曲、自分でチューニングしたことですね。「白夜の日々」、「泡沫」はシングルとして1~2年前に出していましたが、コロナ禍で、人は少ない方がいいからということで自分でチューニングして録ったんです。その流れもあり、今回は自分でチューニングして録ることにしたんです。

●そうだったんですね! 「淡雪」、「タイトロープ」、「泡沫」での、タムやシンバル類の鳴り方、残響感などが、とても心地良く感じられました。

かみじょう うれしいですね。「プロ・チューナーが作った音に慣れてる9mmのオーディエンス達は、もしかしたら“なんか、今回ドラムの音良くないねー”とか思うかもしれない! 俺、ちゃんと音作りできてんのか?」と不安になっていましたので(笑)。曲によってタムのアタックやサステインなどは納得いくまで細かく調節していますし、あとは昔に比べたら100倍くらいタッチとかに気を遣っているので、シンバル類の鳴り方も変わっていると思います。ちょいエロさとか出せるようになりました。

●以前は滝さん(滝 善充/g)の指定を完璧にこなすことがまず第一とお話されていましたが、今回のドラム・パートはどのように作っていきましたか?

かみじょう 曲によりけりですね。滝がデモ音源をくれるんですが、完全に作り込まれているときと、わりと指定がなく、単純なパターンが入っているときがあって。特に変えなくてもいいところはコピーしましたし、「ここは……こーゆーアレンジの方が良くね?」と思ったところは変えましたね。それでREC時に“完コピしたテイク”、“アレンジしたテイク”を両方録って、「好きなとこ使って」という方式でした。

●ちなみに村石さんのドラム道場ではすべて譜面に起こすという教えだそうですが、ドラム・パートはすべて譜面にしてレコーディングに臨んだのですか?

かみじょう ちゃんと全曲、譜面化しましたね。師の教えというより、構成やらフィルやらの細かい部分を覚えていられないので(笑)。でもメリットはありまくりですよ。最近、アルバム曲をライヴでもやり始めていますが、久しぶりに叩いてみるとまっっったく覚えていないので(笑)、譜面を見まくって練習しています!!

●(笑)。苦心した曲や思い入れのある曲など、印象に残っている曲は?

かみじょう 苦心した曲は「Hourglass」、「All We Need Is Summer Day」ですかね。曲が難しいという訳ではなく……俺がめっちゃ体調悪くて、38℃の中録った曲なので(笑)。日程的に、どうしてもその日にこの2曲を録らないといけなくて、無理矢理に叩ききりました。叩いている最中は自分が熱を出していることに気づいていなくて“なんか体調わりぃな……”くらいだったんですけど、録り終わって測ったら高熱でした。でもコロナではなく、ただの過労からの発熱です。思い入れのある曲は、「泡沫」ですかね。1st~8thアルバムはずっと三原重夫さんにチューナーについてもらっていましたが、この曲から自分でチューニングしているので、REC前にだいぶ勉強しました。一番満足しているのは……「淡雪」ですね。ところどころに複雑なところがあるんですが、サラっとなんてことなくやっているように聴こえるので。

●ラストの「煙の街」は、スネア音一発で終わっていて、ドラマーの立場としては、最高にカッコいい終わり方だと思いました。

かみじょう アルバムのラスト曲はだいたい速い曲で、壮絶に終わるみたいな手法がよく取られるんですけど、今回(「煙の街」)は演歌みたいな感じですよね。9mmにしてはめずらしい曲で、ドラムもいつもとはだいぶ違うタッチだったり、バック・ビートの位置をめちゃくちゃ後ろに入れてバラード感を出しています。でも曲の展開上、これまで通り激しくなったりはしますので、行ききった結果、最後の合図としてのスネアのフラム・ショットは、当然気合いが入りましたね。“9”がつくバンドの“9”枚目のアルバムなので手を抜く訳にはいかないじゃないですか? だから選曲は、“今ある曲の中でどの曲を使ってどんなふうに並べると一番ベストでカッコいいかな?”という部分に一番力を入れましたね。