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    【Report】混ざり合う打楽器とダンサーの多彩なリズム!レナード衛藤主催「Blendrums」のアニバーサリー公演!!

    • Photo:Kazunori Hashimoto

    世界にその名を轟かせる和太鼓奏者、レナード衛藤が去る6月23日に「太鼓と旅して 40周年記念第2弾 ブレンドラムス」と題したスペシャル・ライヴを新宿ReNYにて開催した。

    Blendrums(ブレンドラムス)は、“太鼓と混ざり合う音”にフォーカスしたライヴ・イベント。多彩なゲスト陣を招き、刺激的なステージを世界各国で繰り広げてきたが、今回は40周年の節目ということで、レナードの兄で、重金属打楽器奏者として活躍するスティーヴエトウと、ザ・イエロー・モンキーの菊地英二というBlendrumsの歴史を語る上で欠かせない2人に加えて、マリンバ奏者の小林潤子、さらにダンサーとして、フラメンコの工藤朋子、バレエの田所いおりが出演。

    和太鼓とダンスのコラボレーションもまた、レナードが長年に渡って取り組んできたテーマで、今回の公演は集大成とも言える座組みとなった。

    レナード衛藤

    会場に入ると、ステージ上の右手側に、さまざまな和太鼓を組み合わせたセットとマリンバが、左手側には菊地のドラム・キットとスティーヴのパーカッション・セットがそれぞれ配置され、中央にはビッグ・サイズの大太鼓が鎮座。これからどのようなパフォーマンスが繰り広げられるのか、舞台上にズラリと並ぶ機材を見るだけで期待に胸が膨らむ。

    レナードとスティーヴのコラボ

    深海にいるようなSEが流れる中、中央の大太鼓にスポットが当たり、まずはレナードとスティーヴがステージに登場。レナードは和太鼓セットに陣取り、和太鼓とオクタバンによる打楽器セッションからスタート。どちらかがソロを取る場面では、どちらかがキープするという展開で、ここぞという場面での息の揃ったユニゾンは強力。

    レナード&スティーヴに菊地英二が加わった打楽器アンサンブル

    冒頭から兄弟だからこそというパフォーマンスでオーディエンスの心を掴むと、続いては菊地も加わり、重厚な打楽器アンサンブルへと突入。スネアのスナッピーをオフにして奏でるプリミティヴなドラムのリズムに合わせて、レナードはトレードマークとも言える肩から担いで叩く桶太鼓で、スティーヴはジェンベを使ってリズムを叩き出し、それらがズレて重なり、独創的な音世界を生み出していく。

    菊地は1バス、2タム、1フロア・タムのドラムにゴング・バスを組み込んだBlendrums用のセッティングでプレイ。ザ・イエロー・モンキーではタイトなロック・グルーヴで、サウンドの屋台骨を支えているが、この日はタム、フロア・タムを中心としたアプローチで、バック・ビートもほとんどなし。バンドとは異なるアプローチを繰り広げるも、ここぞという場面ではパワフルなロック・ドラミングを披露し、会場を沸かせてくれた。

    メタル・パーカッションでお馴染みのスティーヴだが、この日はオクタバンとシングルヘッド・タム(アクリル製!)などを並べたカラフルなパーカッション・セットを使用し、華麗なスティック捌きを披露。ジェンベを首から吊り下げて、ステージ&フロアを所狭しと動き回るパフォーマンスもインパクト抜群で、楽器1つでオーディエンスを魅了してしまうのは流石の一言。

    レナードもさまざまな和太鼓を駆使してパフォーマンスを繰り広げるが、圧倒されたのはステージ中央に置かれた大太鼓の音色だ。太いバチを振り抜いて鳴らす“ドーン”という力強い響きは迫力満点で、心の奥底から揺さぶられるかのよう。叩くのに力が必要と思われる大太鼓だが、レナードの手元を見ると、バチをグッと握り込むことなく、軽くホールドしていた点も印象的。皮(ヘッド)を叩いて空気を振動させるという意味では、ドラムも和太鼓も同じであり、やはり打楽器において脱力することが大切ということを実感した瞬間でもあった。

    小林潤子
    田所いおり(バレエ)
    工藤朋子(フラメンコ)

    その後も和太鼓とドラム、和太鼓とマリンバ、和太鼓とダンスなど、さまざまなコラボレーションが繰り広げられたが、個人的に印象に残ったのは鍛え上げた身体を使って表現するダンサーの躍動する姿。舞台上の床にマイクが仕込まれており、床を踏み、叩き、掴むダンサーによる足のリズムもステージの見どころで、打楽器陣もそれに呼応するように、大胆かつ繊細にリズムを発展させていくシーンもこの日のハイライトの1つだったと言えるだろう。約2時間に渡り、リズムの魅力を全身で体感する貴重な機会となった。

    なお、レナードは“太鼓と旅して40周年記念 第3弾!”と題して、9月から全国を巡る即興ライヴ・ツアーが決定しており、スティーヴの他、中村達也や和太鼓奏者の金子竜太郎、韓国太鼓のチェ・ジェチョルらが参加するとのこと。打楽器奏者同士が即興で生み出すリズムに注目したい! ツアーの詳細は下記の通り。

    太鼓と旅して40周年記念レナード衛藤即興ライブツアー

    ●9月1日 東京 晴れたら空に豆まいて
    (レナード衛藤、中村達也)
    ●9月2日 東京 晴れたら空に豆まいて
    (レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル)
    ●9月10 日 秩父 リトリートフィールドMahora 稲穂山
    (レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル、秩父屋台囃子 宮若会)
    ●9月14日 名古屋 TOKUZO
    (レナード衛藤、中村達也)
    ●9月15日 奈良 エヴァンズ キャッスル ホール
    (レナード衛藤、スティーヴエトウ、中村達也、寧鼓座、松下建命、田原由紀、田島隆、池田安友子)
    ●9月16日 大阪 NOON+CAFÉ
    (レナード衛藤、中村達也)
    ●9月17日  大阪 交野 星の里いわふね
    (レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル、サエキ囃子保存会)
    ●9月18日 京都 CLUB METRO
    (昼公演:レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル)/
    (夜公演:レナード衛藤、スティーヴエトウ、中村達也)
    ●9月19日 近江八幡 サケデリック・スペース 酒游館
    (レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル、小佐治すいりょう太鼓)
    ●9月20日 愛知・幸田町 幸田町あじさいホール
    (レナード衛藤、金子竜太郎、チェ・ジェチョル)

    ツアーの詳細はこちら→https://leoeto.com/tour2023/