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    【Memorial Interview】神保 彰 ドラマガ初表紙インタビュー(1984年10月号)

    • lnterview & Text:Naohisa Noro 

    個人のプレイも大切だけど
    4人がまとまって
    1つの音を作るといった意識で
    やるようになってきた

    雑誌「リズム&ドラム・マガジン」のバックナンバーが読めるドラマガWEBのサブスク・サービスの開始を記念して、世界に誇る日本のトップ・ドラマー=神保 彰が初表紙を飾った1984年10月号(No.5)のインタビューの一部をWEB公開! リードには“人気、実力共に若手No.1の神保彰”と記載されている。

    スティーヴ・ガッドに魅せられて
    再びドラムを叩くようになった

    神保 これは親から聞いた話なんですが、子供の頃、ご飯になるとお箸で、お茶碗とかテーブルの縁をいつも叩いていたそうなんです。だから、僕の席のところだけテーブルがハゲてしまって、行儀が悪いとよく言われましたね。でも、音ベースをやっていた父親は、この子供はリズム感がいいんじゃないかと思ったらしく、中学の入学祝いにドラム・セットを買ってくれたんです。でも、すぐに飽きてしまって、ほとんど叩かずじまいでしたね。

    神保 高校2年くらいまで、僕はロックってほとんど聴いたことがなかったんですよ。でも、友人からデオダートの曲を聴かされて、それがすごく気に入りましてね。じゃ、似たような曲はというので、ボブ・ジェームスのレコードを買ったら、その中でスティーヴ・ガッドが演奏していて、そのドラムを聴いて、何だこれは!と思ったんです。

    神保 そうですね。初めてスティーヴ・ガッドの演奏を聴いて、あんな風にできたらすごいなって思い、再びドラムを叩き出したわけです。

    神保 CTIのジャズをよく聴いていましたね。その中にはスティーヴ・ガッドも入っていたし。とにかく、音楽を聴くと最初に耳に入ってくるのはドラムの音で、どうやって叩いているのかわからないときは、テープに録ってから譜面に起こし、それで、できるようになるまで練習していました。

    神保 とにかくコピーはたくさんしましたね。一番よくやったのは、やはりスティーヴ・ガッドで、あとハーヴィー・メイソンとかデヴィッド・ガリバルディ。この3人は、僕の永遠のアイドルです。

    神保 やはり仕事があるから、あまり練習はできないですね。でも、ちょっと叩かないとノリが悪くなってしまうので、スティックを1日も握らないことがないようにしています。

    神保 大学時代というのは、テクニックを磨こうといった意識が強くて、カシオペアに入った頃も、まだそういったところが残っていたんです。とにかく、すき間があるとフィルで埋めてしまうとか、やたらと難しいことをしてみたりとかね。だから、カシオペアに入った当時の演奏を聴くとうるさくて、とても聴いていられないですよ。今は、なるべく余計な音を省いて、出すところは出し、引くところは引く、といったことを意識してプレイしています。

    神保 以前は、例えば新しいことを見つけると、どうしてもそれを使いたくて、曲に合うかどうかにかかわらず、強引に入れてやってしまうところがあったんです。でも最近は、あくまで僕達はバンドなんだと思うようになりましてね。つまり、個人のプレイも大切だけど、4人がまとまって1つの音を作るといった意識でやるようになってきました。

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