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    Archive Interview−ジンジャー・ベイカー

    • Interview:Seiji Murata/Translation & Interpretation:Akira Sakamoto/Photo:Eiji Kikuchi

    12/8拍子の感覚を理解したということが俺はうれしかったね(笑)

    ●イギリスやアメリカでの音楽活動の後、1970年にはアフリカのナイジェリアに移住なさいましたが、それは現地でアフリカ音楽を探求するためだったのでしょうか?

    GB 俺がアフリカ音楽を知ったのは1960年のことで、実際に行く機会が巡ってきたのが1970年だったんだ。現地には6年間住んでいたけれど、アフリカ音楽を探求するために行ったわけじゃない。

    ●ナイジェリアへ行く段階で、すでにアフリカ音楽についてはよくご存知だったわけですよね。

    GB そうさ。

    ●でも、実際に現地でアフリカ音楽に接することで、それまでとは違った発見はありませんでしたか?

    GB どうだろうな。フェラ(クティ)と良いレコードも作ったし、楽しかったけれどね。

    ●何よりもまず、ミュージシャンだということで、あらゆる音楽に対してオープンな姿勢でいらっしゃると思いますが……。

    GB オープンなのは、良い音楽に対してだけだけれどね。

    ●70年代にフェラ・クティと演奏なさっていた音楽も、ほとんどはインプロヴィゼーションだったわけですね。

    GB そうさ。

    ●長年に渡っていろいろな環境で、いろいろなミュージシャン達と、インプロヴィゼーションを追求なさってきたということですか?

    GB 一緒にやって満足できない相手とは、長く続かなかったけれどね(笑)。

    ●あなたに大きな影響を与えたドラマーとしてフィル・シーメンの名前が出ましたが、あなたがアフリカ音楽に出会ったのはフィルの影響だったんですよね。

    GB 俺にアフリカ音楽を紹介してくれたんだ。彼はアフリカン・ドラムのレコードをたくさん持っていたからね。

    ●アフリカ各地のドラムのレコードですか?

    GB アフリカのドラミングは、アフリカ南部以外はどこも同じだよ。アフリカ南部のドラマーは、ヤクをやっていたからな(笑)。

    ●あなたはすでにアフリカ音楽には慣れ親しんでいらしたわけですが……。

    GB ああ、でも逆にアフリカ人達も俺のことをよく知っていたよ(笑)。

    ●では、現地の音楽シーンにもすんなり溶け込めたわけですか?

    GB こちらから努力しなくても受け入れてもらえたからね。フェラのバンドのドラマーが病気になったときには、俺が代わりにツアーに参加した。素晴らしい経験だったよ。

    ●アフリカのドラミングがどんな形であなたのドラミングに影響したのか、具体的に説明していただけますか。

    GB フィルのレコードを聴いて、12/8拍子の感覚を理解したということさ。フィルからは、「これまでにたくさんのドラマーに聴かせたけれど、理解できる人は1人もいなかった。でも、お前は瞬時に理解した」と言われたよ。フィルと最初に会ったときのことで、俺はうれしかったね(笑)。新しい扉が開かれたような感じだった。テクニックなんて何の意味もない。肝腎なのは、1小節に詰め込む音の“数”ではなく、音を置く“場所”だ。正しい音をたった1つ正しい場所に置けば、24個以上の余分な音が節約できる。自分の出す音は周りの音に影響を受け、自分の出した音は周りに影響を与える、そこが肝腎だ。

    フェラ・クティのドラマーであったトニー・アレンとも共演

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