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母校で繰り広げられた世界クラスのドラム・パフォーマンス! GODRi&Keitaによるコラボ・セミナー【Report】
- Report:Shinichi Takeuchi
説得力に満ちた軽妙なトーク
初めてにしてドラムの魅力を
存分に伝える大充実のセミナー
ここでゲストのチカ(花冷え。)が登場。スクリーンに画像と映像を流しながら、3人で海外ツアーの体験談を語り合った。それぞれに海外のフェスに出演した画像などを紹介していたが、いずれも数万人規模のライヴを経験しており、あらためて彼らが世界規模で活動していることを思い知らされた。チカの出番はここまでということで最後に「O・TA・KUラブリー伝説」を、マイナスワン・トラックを使ってデモ演奏。会場を煽りながら大迫力のキックに、轟音のスネアを交えた力強いドラミングを披露した。チカは「緊張した」と笑顔を見せたが、ドラミングの迫力に「ちょっとパワフルすぎっ!」(Keita)、「音でかっ!」(GODRi)と驚きの表情だった。
続いてお互いのバンドの楽曲をプレイし合うことに。KeitaはSiMの「KiLLiNG ME」をチョイス。中1のときにコピーした思い出の1曲だそう。Keitaは、ふくよかなキックとタイトなサウンドのスネアを駆使して、堅牢なドラミングを展開。これには「俺よりも上手く叩くのやめて!」とGODRiも舌を巻いた。「メタルなんで音数を増やしました」とKeitaはしてやったりの表情だった。
GODRiは「SABLE HILLSの曲は全部難しくて、唯一できそうだったのがこれ」と「Anthem」を披露。歯切れの良く、輪郭の太い音像と独特のグルーヴはまさにGODRi節といったところで、Keitaは「もうSiMじゃん!」とこちらも驚きの表情。2人ともマイナスワンで演奏しているので、他のパートの演奏は変わらないのに、まったく違うグルーヴを持つ楽曲へと変貌しており、ドラマーによって曲が変わることが体感できる場面であった。
続いて2人は母校で学んだことについて語り合う。GODRiはパラディドルを教わったことが今でも役に立っているそうで、童謡などを歌いながらパラディドルを叩く練習法を実演。これによって「歌を感じて叩けるようになった」そうだ。Keitaは学生時代にサンバ・キックをひたすら練習したそうで、「そのおかげで左足のダブルが速くなった」、そして、結局「練習するしか上達する方法はない」(GODRi)、「やっぱり基礎が大事で、効果的な練習を続けるしかない」(Keita)と、練習の大切さを説いていた。ここで質疑応答に。「ブラスト・ビートの練習方法は?」、「シンバルがうるさいと言われる。どうしたらいいのか?」、「バスドラのフレーズが考えつかない」といった質問が投げかけられ、2人は実演を交えながら丁寧に回答していた。
最後は、それぞれに自身の楽曲……Keitaは「Odyssey」、GODRiは「KiLLiNG ME」を披露し、さらにSiMの「The Rumbling」を合奏。互いにアイコンタクトを取りながらプレイする2人の表情は、実に楽しそう。そんな2人の演奏に乗せられて、会場も大いに盛り上がり、セミナーは大団円となった。
この日はドラムをプレイしていない観客も多く駆けつけていたようだったが、それを意識してか、2人はわかりやすい言葉を選びながら話を進めていたのが印象的。驚いたのは、その説明のうまさ。2人とも自身の考え方をきちんと示して対処法を伝授するといった具合いに、簡潔に説明しており、本当にセミナーは初めてなのかと驚かされた。そして、自身の体験談を交えた話はリアリティがあり、説得力に満ちていた。わかりやすくためになり、さらには2人の軽妙なやり取りも楽しい。初めてにしてドラムの魅力を存分に伝える大充実のセミナーだった。