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【Lesson-10】“ドラマーになっていいの?” 胸に刻みたいドラマーに大切なこと
- Text:Yuichi Yamamoto (RCC Drum School) Photo:Takashi Yashima Illustration:eobrazy(iStock) Model:Koharu Yamaki
ここまでいろいろなテーマを考えてきましたが、最後は初心者ドラマーと、その手前である“ドラムを始めようか、どうしようか……”と迷っている人が悩みがちなことを考えておきたいと思います。筆者の個人的な体験や考えではありますが、参考にしてみてください。
〜最後に聞きたいドラマーの素朴な疑問〜
Q.1 ドラマーに向いている性格って?
A.1 知り合いのドラマーにも本当にいろいろな性格の人がいます。なので“こういう性格じゃないとダメ!”という決まりはないと思いますね。
ただ、ナイスなドラマーに共通して言えるのは、日常生活も含めてさまざまな気配りができる人が多いと感じます。バンドの中で考えると常に全体を見渡していて、把握して、解決できるタイプといった感じでしょうか?
まぁ、音楽には個性が大切なので、気配りができない人のドラミングもまた魅力があるとは思いますが(笑)、1つのキーワードとして覚えておいてください。
Q.2 運動神経に自信がないけど大丈夫?
A.2 ドラムにはスポーツ的な要素も多々含まれているので、運動音痴には向かない印象を抱きがちですが……私は決してそう考えてはいません。むしろ大切なのは芸術的なセンスだと思いますね。これまでの経歴の中でいろいろな人と出会ってきましたが、優秀なドラマーはもちろん、カッコいいダンサーの人ですら実は運動が苦手という人もいました。
というわけで、ドラマーに関して言うと、スポーツ万能系ドラマーの魅力もあれば、運動は苦手だけど芸術センスのあるドラマーの魅力もある……それが勝ち負けでは表せない音楽の魅力につながっているように思います。
Q.3 ドラマーが普段から気を遣けておくことは?
A.3 ドラマーってちょっとしたことで、身体の故障やケガをする可能性があるので、そこは注意して欲しいですね。何のウォーミング・アップもせずに全力で叩き始めて、“あ、何か腕が痛い!”と感じたときには遅かりし。そこから何ヵ月も痛みを引きずってしまうこともあります。ここはスポーツと同じで、徐々に身体を温めていく意識は持っていましょう。
また、リハスタやライヴで慌ててセッティングしたり、無理な体勢でネジを閉めたりしてケガをしてしまう場合もあります。ドラムに限らずですが“急いでいるときこそ慌てずに!”……そんな言葉を覚えておくといいですね。
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◎Profile
やまもとゆういち:現RCCドラム・スクール講師/代表取締役。小学生の頃、尾崎紀世彦のバックで演奏する猪俣 猛の姿に憧れてドラマーを志し、12歳より同スクールにて猪俣 猛氏、田中康弘氏に師事。プロとしての活動をスタートさせ、シブがき隊、光GENJIを始めとするさまざまなアイドルのステージ・サポートやレコーディングに参加。実力派シンガーである葛城ユキのライヴ/レコーディングを1995年より現在までサポート。講師/演奏/執筆活動と幅広く活動しながら、DAWをベースとするアレンジ/録音/プロデュースも行っている。
◎Information
山本雄一 HP
RCC Drum School HP Twitter
◎Profile
やまきこはる:1998年生まれ、シンガー/アイドル/女優/ドラマーとしてマルチに活躍するアーティスト。13歳でエントリーした大型オーディションで受賞後、数々のテレビ・映画・舞台・ラジオに出演。2014年にはアイドル・グループ=X21の一員としてCDデビューも果たし、第一線で活躍してきた。2019年よりソロ活動を開始。歌唱や演技に定評が高く、トーク番組やイベントのMCまでこなす。父はドラマーの山木秀夫。
◎Information
山木コハル Twitter Instagram