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Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#2 〜 ONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」
- 文&解説&動画:響[摩天楼オペラ]
こんにちは、摩天楼オペラの響です。名曲のカヴァー動画をもとにフレーズを解体/解説していく連載、“Anatomy of Drumming”の第2回は、ONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」のドラム・カヴァー解説をお届けします。やはりこの楽曲と言えばドラム・イントロ。僕と同世代のドラマーの方なら一度はコピーに挑戦したことがあるのでないでしょうか。
Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#2
ONE OK ROCK「完全感覚Dreamer」
学生のコピー・バンドの定番曲ともなっている「完全感覚Dreamer」ですが、気軽にコピーしようとするとかなり難しいフレーズが詰まっています。今回は、イントロ、Aメロ、ドラム・ソロ、そしてそれらのフレーズを叩く上で必須とも言えるアクセント移動やアップ・ダウン奏法の基礎練習を紹介していきます。
◯ Anatomy of Drumming feat. 響[摩天楼オペラ]#2
■ Pattern 1 – イントロ 〜タムとスネアの高速フィル〜
▶︎ Ex-1 – アクセント移動
■ Pattern 2 – Aメロ 〜変則的8ビート〜
▶︎ Ex-2 – アップ・ダウン奏法
■ Pattern 3 – ドラム・ソロ
■カヴァーのポイント① イントロ 〜タムとスネアの高速フィル〜
この曲の最難関ポイントとも言えるのがこのイントロです。2小節目の後半から始まる、タムとスネアのアクセント移動はかなり難易度の高いフレーズとなっています。ここを完璧に叩き切るためには、4種類のストローク(次項のEx-1にて説明)の使い分けが最低条件となります。
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また、アクセントというと、力を入れて強く叩くイメージを持たれがちですが、アクセントがついていない部分をいかに小さな振り幅で叩けるかということが重要です。常に脱力を意識して、スティックの振り幅で強弱をつけるようにしてみてください。
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攻略エクササイズ① アクセント移動
Ex-1は、アクセント移動の基礎練習です。非常に簡単なパターンではありますが、4種類のストローク(フル、ダウン、タップ、アップ)の使い分けをしっかりと意識してみてください。例えば、1打目アクセントの場合は「ダウン⇨タップ⇨アップ⇨タップ」の繰り返しとなるわけですが、慣れるまでは「D・T・U・T」のように譜面に目印を書いていくとわかりやすくなります。右手に関しては、アップ・ダウン奏法やスネアの連打を通して自然とできる方も多いと思うので、左手のアクセントに注意して練習してみてください。
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■カヴァーのポイント② Aメロ 〜変則的8ビート〜
Aメロは変則的な8ビートが特徴で、スネアが本来の位置より半拍遅い、4拍目のウラに入っています。ここで注意するのがハイハットとの兼ね合いなのですが、この楽曲のテンポだとアップ・ダウン奏法(Ex-2にて説明)が必須となります。
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アップ・ダウン奏法をする場合は、4拍目のウラがアップ・ストロークとなるため、スネアを強打するのが非常に難しくなります。そのため、ここではハイハットを叩かずにスネアのみとなるところに注意が必要です。
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攻略エクササイズ② アップ・ダウン奏法
Aメロで登場したアップ・ダウン奏法の練習となります。具体的にはEx-1で紹介した、アップ・ストロークとダウン・ストロークを使い分けていくのですが、アクセントがついているところはダウン・ストローク、ついていないところはアップ・ストロークとなります。この奏法は、今回の楽曲のようなテンポの速い8ビートでは必須のテクニックとなるので、ぜひ習得してみてください。今回は簡単なパターンではありますが、常に右手がこの動きを維持できることが大切です。
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■カヴァーのポイント③ ドラム・ソロ
ドラム・ソロは大きく分けて2つのパターンが登場します。1つが手足のコンビネーションを使ったパターンです。ポイントとしては、3小節目の1拍目ウラから始まる手2打・足2打のコンビネーションと、6小節目の4拍目から始まる小節をまたいだ手4打・足2打のコンビネーション。どちらも拍からズレて聴こえやすいパターンなので、前後のつながりを意識して叩いてみてください。もう1つがクラッシュとスネアの同時打ちのパターンです。こちらはイントロと同じく、シンバルの移動や手足の2打連続に注意して叩いてみてください。
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◎Profile
ひびき:2014年に本格的な音楽活動を開始し、2019年にVロック・バンド“摩天楼オペラ”に正式メンバーとして加入。同年2月に初の参加アルバム『Human Dignity』でメジャー・デビューを果たす。自身のバンド活動以外にも、さまざまなアーティストのライヴ・サポートやドラム・セミナーの開催、教育現場でのライヴ参加や講師活動など、幅広い音楽活動を行っている。パール/ジルジャンのエンドーサー。
◎Information
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