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    ドラムが叩ける!お宅訪問 #9[千葉県在住 野口さん宅]

    • 撮影:八島 崇 取材:編集部
    • 文:西本 勲

    “いつでも好きなときに、自分のドラムを思い切り叩きたい”、そんな夢を叶えてくれるのが、プロ用のスタジオやライヴ・ハウスなどの防音/音響工事を多く手がける専門業者、アコースティックエンジニアリングが作るドラム用防音室だ。今回は、千葉県に住む野口さん夫妻のプライベート・スタジオをレポートしよう。

    “人が集まる家”を叶える
    内装にこだわった非日常空間

    ご主人のギター、奥様のドラムとエレクトーンが並ぶ野口さん宅のスタジオ。床は耐久性に優れたビニールタイル。濃いブルーで揃えられた壁の吸音パネルが部分的にライトグレーになっているのは、白いエアコンとのマッチングを考えてのこと。

    依頼を決めた大きな理由は
    費用と性能のバランスの良さ

    ご主人がギター、奥様がドラムを趣味で演奏している野口さん夫妻。2024年に自宅を新築するタイミングで防音室を作ったのは、まず奥様の希望があったそうだ。

    野口さん妻(以下、妻)「いつかは家でドラムを叩きたいという夢がありました。でも強いきっかけになったのは、子供もドラムを始めたこと。生ドラムと電子ドラムでは身体の使い方が全然違うので、子供には生ドラムで練習させてあげたいと思ったんです」
    野口さん夫(以下、夫)「ギターだったら別にスタジオはいらないと思っていましたが、今はスタジオがあるおかげで、ギターも爆音で楽んでいます(笑)」

    そして自宅の設計/施工を担当したハウス・メーカーに相談し、2社を紹介してもらったうちの1つがアコースティックエンジニアリングだった。

    夫「その2社に見積もりを出していただき、遮音性能なども確認させてもらった上でアコースティックエンジニアリングさんに決めました。金額と性能のバランスの良さが決め手でしたね」。
    妻「そのあとショールームにも行かせていただいて、夫の選択は間違いないと思いましたし、信頼できる業者さんだなと感じました」。

    アコースティックエンジニリングのショールームは、FUYUもその響きの良さを実感。

    その後、同じハウス・メーカーでアコースティックエンジニアリングがスタジオを担当した物件も見学し、さらに信頼を深めたという。

    夫「中でドラムを叩いたときにどのくらい遮音されるのかを実際に確かめさせていただいて、これなら大丈夫だと思いました」。

    スタジオの広さは約8畳。これはご主人の「ドラムを置いて、バンド演奏できる広さが欲しかった」という希望による。

    ドラム側から見たスタジオの様子。バンドで音を出すには十分な広さだ。

    夫「僕はギターなので、やっぱりバンドで音を出したい。一般的なリハーサル・スタジオの広さをイメージして、8畳くらいあればいいかなと……もちろん広ければ広いほど良いんですけどね(笑)」。

    ポイントは、スタジオのある部分が建物から張り出すように作られ、居住スペースと接するところを最小限にしている点。

    北、東、南側の3面が屋外に面しており、どの方向にも高い遮音性能を確保。2階の直上はベランダ、スタジオ隣の空間には廊下、お風呂、洗濯室など、音が気にならない水回りを配置しているのも設計上のポイント。

    夫「昔、仲間とバンドをやっていた頃は、リハスタの深夜パックを使って練習することが多かったので、この部屋も24時間気兼ねなく使えるようにしたかったんです。それで外への遮音性と、家の中でも寝室や子供部屋などへの影響も考えながら、スタジオをどの位置にするかを考えました」
    妻「そこはハウス・メーカーとアコースティックエンジニアリングの担当者さんが、初めから細かいやり取りを重ねてくださいました」

    屋外への遮音性能に定評のあるハウスメーカーで施工された野口さん宅。1階右側の張り出した部分がスタジオ。リビングなどの居住空間から最も離れた場所に配置しており、住居内でもスタジオからの音はほとんど気にならない。

    ドラムを叩くのに最高の環境が
    人との縁も続けさせてくれる

    2枚の防音ドアの間には大きめの空間を設け、収納棚を置いた“前室”として使用。これも居住スペースへの遮音性能に寄与している。

    室内側の鉄製防音ドアと、外側の木製防音ドアの間にある前室。スタジオ天井の空気層をたっぷり取って遮音性能を高めているため、床を下げて天井高を確保しているが、前室があるおかげで段差が大きくなりすぎず、スムーズに出入りできる。

    妻「夜、2階の寝室にいると、うっすら聴こえてくるくらいですね」
    夫「やっているうちに、だんだん音量が上がっていくんです(笑)。最近は、せっかくドラムがあるんだからちょっと練習してみようかなと思って、スピーカーから音源を流しながら叩いたりしているんですけど、音源の方がどんどん大きくなって……」
    妻「ドラムは全然聴こえなくて、スピーカーからの音が少しずつ大きくなってくるんです。そうすると、“あ、やってるな”って(笑)」
    夫「遮音性能を測定してもらったときの数倍大きい音を出しています(笑)。それでも性能の範囲内で、家の外で聴いていると、中でドラムを叩いているなんてわからないと思います」

    天井から吊られたYamahaのスピーカー。これまで多くの住宅スタジオで導入していたスピーカーの吊り金具が入手できなくなったため、床置きにすることも検討されたが、バンドで演奏するスペースを確保するにはやはり天吊りが良いということで採用となった。
    ドラムはパールのEXPORTシリーズをセットで購入。メタリックアメジストスイストのカバリングが部屋の雰囲気によく合っている。フット・ペダルのみDW5000にアップグレード。

    そして、夫婦揃って口にしたのが内装へのこだわり。

    妻「リビングなどの居住スペースとは切り分けて、まったく違う空間を楽しみたいと思っていました」
    夫「よくあるスタジオっぽい感じというより、家だからこそできるカッコ良い感じにしたかったんです。それで海外の事例写真とかを見ていただき、それに合う色や材質のものを探してもらいました。床もフローリングじゃなくてビニールタイルにしてもらったり」

    ダウンライトを消灯し、スポット照明だけにすると雰囲気が一変。ライトの角度を調整することで、非日常感を演出できる。

    スタジオ内の音の響きは、比較的デッド寄りに設計されている。これは主に奥様の希望によるもの。

    妻「個人的に、音が反響しすぎるのが好きじゃないので、吸音パネルを多めにつけていただきました。けっこう吸収されている感じですけど、私にとってはちょうど良いです」
    夫「仲間を呼んでドラムやベースと一緒に音を出しても、歌がちゃんと聴こえてきます」

    壁の全方向と天井の大半を吸音パネルで仕上げてしっかり吸音。梁のように見える部分には換気用のダクトが通っており、木目入りのクロスを貼ることで内装のアクセントにもなっている。
    コンパクトなPAミキサーはYamahaのMG12。ヴォーカル・マイクや、ドラム練習時の音源再生などのために使用。

    こうして出来上がったスタジオは、今や生活に欠かせないものになっているようだ。

    妻「リビングから10秒で行けて、ドラムが叩ける環境は最高だなと思います。夫と子供がちょっと泊まりに行っているときには、1人で存分に楽しませてもらったり(笑)。音楽を続けていく上で、すごく大切な場所です。子供がもうちょっと大きくなったら、家族みんなで音を出せたらいいなって思っています」。
    夫「スタジオを作って良かったなと思うことは……すべてです(笑)。リハスタと違って何の制限もなく使えるのは最高の贅沢ですし、もともと家を建てるときのコンセプトとして“人が集まる家”にしたかったので、学生時代にバンドをやっていた頃の友達が遊びに来て、当時コピーしていた曲を懐かしく楽しんだりして……そういう縁が続いているのも良かったなと思います。将来的には、子供たちのお友達がみんなで遊びに来てくれたらいいなと思っているところです」

    ※画像はすべてタップで拡大できます。

    Profile●野口さん一家は4人家族。ご主人はELLEGARDENがきっかけでギターを始め、学生時代は友達と組んだバンドでGREEN DAYやSUM41などをコピーしていたそう。「パンクを中心にその周辺の音楽も聴くようになって、YELLOWCARDやTHE SCRIPTなんかも好きです」。もともとエレクトーンをやっていたという奥様は10歳でドラムを始め、「最初はT-SQUAREやCASIOPEAから入って、だんだんロックに目覚め、高校では女の子5人でバンドを組んでJUDY AND MARYとかをコピーしていました」。好きなドラマーはPeople In The Boxの山口大吾。「山口さんが使っているスネアを真似して、同じのを買ってみたりしたこともあります」。

    アコースティックエンジニアリングとは?

    株式会社アコースティックエンジニアリングは、音楽家・音楽制作者のための防音・音響設計コンサルティングおよび防音工事を行う建築設計事務所。1978年に創業して以来、一貫して「For Your Better Music Life」という理念のもと、音楽家および音楽を愛する人達へより良い音響空間を共に創り続け、携わった物件の数は2,000件を超えている。現在も時代の要請に答えながら、コスト・パフォーマンスとデザイン性に優れ、「遮音性能」、「室内音響」、「空調設備」、「電源環境」、「居住性」というスタジオの性能を兼ね備えた、新しいスタイルのスタジオを提案し続けている。

    株式会社アコースティックエンジニアリング
    【問い合わせ】
    TEL:03-3239-1871
    Mail:info@acoustic-eng.co.jp
    住所:東京都千代田区九段北2-3-6九段北二丁目ビル
    HP:https://www.acoustic-eng.co.jp/pro/

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