プレミアのハイエンド・モデルを手がけたドラム・ビルダーのキース・キーオ氏が2015年に立ち上げた英国発のドラム・ブランド、“British Drum”。2020年から日本での販売がスタートし、サウンドや品質の信頼性はもちろん、機能性やルックス、フィーリングにもこだわり抜いたハンドメイドのドラム・キットやスネア・ドラムが好評を博しているが、その魅力の一翼を担っている“Casino”ハードウェアが、今春、日本上陸を果たす。

British Drumの開発メンバーでもある著名なドラマー達が、過酷なツアーにも十分対応するべく開発・設計したプロのツアー仕様のCasinoハードウェアは、ドラム同様、信頼性と機能性に加え、British Drumの大きな特徴の1つでもあるアール・デコ調の美しいルックスをも兼備。中でも注目は、ハードウェアの各パイプやパーツ接合部にはめ込んである“ダイス＝サイコロ”の目（数字）を合わせることで、どのパーツとどのパーツを組み合わせれば望み通りのスタンドが組み立てられるかを即座に認識できるという“ダイス認識システム”だ。このかつてないアイディアが、“Casino”たる所以だろう。

それでは、Casinoにラインナップされたスタンド類それぞれの特徴を見ていこう。

※以下、本ページの価格はすべてオープンプライスです。

ハイハット・スタンド CAS-HW-HH

ハイハット・スタンドのCAS-HW-HHは、まず直線的で端正なルックスが目を引く。脚部はまさにストレートのダブル・レッグでスイベル式。エンドには“Total Grip”と呼ばれる、底部に車のタイヤさながらの溝を施したラバー・グリップを装着している（全スタンド共通仕様）。ハイハット・クラッチやメモリー・ロック、フット・プレートはBritish Drumの金属パーツ同様のアール・デコ調“パラディウム・デザイン”を踏襲。特にハイハット・スタンドの顔とも言えるフット・プレートは、足のスライド・アクションがしやすいように凹凸のない仕様となっているのも特徴の1つ。稼働部は、チェーン駆動によるセンタープル・システムで、スプリング・テンションは脚部の根元のレバーで5段階の素早い調整＆ロックが可能だ。

スネア・スタンド CAS-HW-SS

スネア・スタンドのCAS-HW-SS最大特徴は、スネア・ドラムを1アクションで着脱可能にする“クイック・リリース・スネア・バスケット”機構だ。3本アーム下部にある、スネアの締めつけ具合いを調整するU字パーツを、縦にするとスネアをホールド、真横に90度起こすとリリースできるので、ライヴで曲ごとにスネアを交換するドラマーには非常に便利。Casinoに共通の仕様やルックスと相まって、無駄のない機能美を実現している。

シンバル・ブーム・スタンド CAS-HW-BS

ダブル・ストレート・レッグ＋ズレ防止のラバー・グリップという、Casino共通仕様で安定感抜群のシンバル・ブーム・スタンド＝CAS-HW-BSは、ブーム・アームが収納可能なのでストレート・スタンドとしても使用できる。ティルターや複数のスタンド・パイプと接合パーツが多いため、着脱の際、Casino特有のダイス認識システムが、プロの現場でドラマーとテクニシャン双方に役立つはずだ。また、別売りのミニ・ブーム・アーム（CAS-HW-MBA）と、後述するマルチクランプを組み合わせることで、1本のスタンドからスプラッシュやエフェクト・シンバルなどを増設することも可能となっている。

タム・スタンド
CAS-HW-DTS （ダブル）／CAS-HW-STS（シングル）

　タム・スタンドはダブル・タム仕様のCAS-HW-DTSと、シングル・タム向けのCAS-HW-STSという2種類がラインナップ。最大の特徴は、組み合わせ可能なモジュラー・タム・ホルダー・システム。スタンド支柱に差し込んだマルチクランプ（CAS-HW-MCL／単体販売あり）を利用し、無段階の角度調整が可能なボール・エンド内蔵のL字アーム（CAS-HW-TA／単体販売あり）からタムをマウントする仕様だが、マルチクランプはリバーシブルなので、互い違いに噛み合わせて連結させることで高さを揃えてダブル・タム仕様にもできる。もちろん、このクランプは他のアクセサリーとも連結できるので、フレキシブルなセッティングが可能だ。

Product Report – British Drum Co.