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試奏レポート – emjmod cymbals
- Photo:Takashi Yashima Review:Yusuke Nagano
22″ Ride
倍音が暴れずピング音が明確
クラッシュ時の重低音も迫力満点だが
程良い塩梅でサステインが収まるのも魅力的
太いスティックでもツブ立ちが鮮明に得られるサウンドをねらったというプロト・タイプの22″ライド。厚みのあるパワフルなシンバルで、ピング音は高域の効いたシャープな音色。実用的なライド・エリアが広く、打点による音色変化を楽しめるのも特徴的ですが、エッジ付近をチップでハード・ヒットしても倍音が暴れずに明確なピング音が得られるあたりには、このシンバルの許容量の大きさを感じます。リバウンド感の鋭さも特筆すべき点で、速いレガートなどもクリアなツブ立ちを実感しながら心地良く演奏可能。エッジをクラッシュしたときの重低音も迫力満点ですが、程良い塩梅でサステインが収まる特性に魅力を感じます。
20″ Ride
ドライで太い音色のピング音
アンサンブルを邪魔せず主張もある
トータル・バランスに優れたキャラクター
20″はミディアム・ウェイトのクラッシュ・ライドというイメージ。表面はemjmod特有のツートン仕上げで、裏面は通常のレイジングが施された輝きのあるルックスになっています。ドライで太い音色のピング音は、芯が鮮明でパワフルに響きますが、倍音が落ち着いているのでハード・ヒットしてもアンサンブルを壊さずにうまく溶け込むサウンドと言えるでしょう。大きめのカップの力強くて明るいサウンドも好印象です。またエッジをハードにクラッシュしても暴れすぎないのも魅力で、このあたりも含めて、トータル・バランスに優れた扱いやすいキャラクターになっています。音量のあるアンサンブルの中でもしっかりと主張が感じられる、ダークな傾向のシンバルを求める人には、ぜひ1度チェックしていただきたいです。
Capccinoride
余計な神経を使わずに
小音量での演奏に集中できる
ハイハットとこの1枚で多彩な演奏が可能
カプチーノ・ライドは、カフェなどの小音量の現場で使用することを前提に設計されたシンバルで、お洒落なネーミングにもセンスを感じます。ボウは比較的フラットな形状に仕上げられており、演奏中のエッジの揺らぎ具合いからも薄めにデザインされていることがわかります。
ピング音はドライな基音に豊かな倍音が絶妙にブレンドしており、デリケートな音量でも深みのある温かいサウンドを奏でてくれます。この1枚でさまざまな表現をカヴァーすることを目指しているということですが、ライド・エリアの刻み位置による倍音の明暗変化、小さいけれどクリアなヌケが得られるカップ、さらに通常は小音量でバランスさせるのが難しい濃密なクラッシュ音を扱いやすいタッチで実現できるなど、余計な神経を使わずに小音量での演奏に集中できるように設計されています。
小さい会場では、ハイハットにライドとクラッシュを兼用するカプチーノ・ライドを1枚セットしたシンプルな構成で、十分に多彩な演奏が可能だと感じます。
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