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    Archive Interview – ピエール中野[凛として時雨]2013年5月号

    • Interview & Text: Rhythm & Drums Magazine Photo:Hirohisa Nakano

    ピエール中野[凛として時雨]のアーティスト・ブック発売を記念し、ドラマガWebでは本書の特設サイトを公開中! ここでは試し読みコンテンツとして、書籍に再収録予定の本誌掲載インタビューを一部ピックアップ。第5弾は、アルバム『i’mperfect』リリース時に登場した、リズム&ドラム・マガジン2013年5月号掲載のインタビュー記事から、ソロ活動や、かみじょうちひろ[9mm Parabellum Ballet]との共演について語られたセクションを紹介しよう。

    リズム&ドラム・マガジン2013年5月号掲載インタビュー

    よりバンドの色が濃くなったと思うし
    プレイヤーの持ち味が表現されている

    ●『i’mperfect』は凛として時雨の2年半ぶりの新作になりますが、その間にはソロ活動を積極的に行われていましたよね。

    ピエール 振り返ると意外とたくさんのことをやったんですけど、特に教則DVD(『Chaotic Vibes Drumming』)を出せたことは大きかったですね。それに伴うクリニック・ツアーをやったり、ドラム・キットやスネアとかいろんなシグネチャー・モデルを作ったり、GLAYのレコーディングへ参加したり、すごく充実していた期間だったと思います。

    ドラムの他にも、DJをやったり、たくさん文章を書いてみたり、ちゃんと次につながっていくような活動ができたのは良かったです。

    ●それらのソロ活動を経て、自分の中で何か変わった部分というのはありますか?

    ピエール 教則関連のことは、自分がクリニックを見て育ってきたタイプだったのでずっとやりたいと思っていたことなんです。それを実際に形にできて、周りのプロ・ドラマーが教則DVDを買ってくれたり、Base Ball Bearの小出(祐介)君とかドラマーじゃない人も見たいと言ってくれたり、「いつも教則本読んでます!」って言ってくれるファンの子もいたり、そういう反響があったのはうれしいし、手応えも感じられました。

    あと、ドラム・テックのつっちー(土田嘉範)と一緒にチューニング・セミナーをやったんですよ。ドラマーってこういうインタビューで話す機会はありますけど、裏方の人って表に出て何かを伝えたり、発表するっていうのがなかなかできないじゃないですか。なので、ドラム・テックの人の仕事を前面に出したセミナーをやることで、みんながそれを見て“自分もやってみよう”って思ってもらえる、そういう刺激を与えられることがうれしいですね。それもすごく好評でした。

    ●昨年は、かみじょうちひろさんとの共演でドラム・マガジン・フェスティバル2012にも出演していただきました。ドラムだけでステージを作るのは初めてとのことでしたが、いかがでしたか?

    ピエール すごく楽しかったですよ! ドラマーの人って他のドラマーと仲は良いけど、ドラミングに対しては結構シビアな一面を持っているっていうのが僕の見解としてあるので、冷たい視線を浴びるのかなと思ったんですけど(笑)、すごく喜んで歓迎してくれて、手応えを感じられましたね。

    もう少し2人で同時に叩く場面があっても良かったかなと思いますけど、僕とちひろ君のタイプからしてそれぞれの特色を出せるような見せ方がいいなと思ったので、あのタイミングではあの形がベストだと思います。それに僕は、ドラマー以外のプレイヤーが入ることで引き出されるドラム・プレイの魅力の方が合っているのかなとも感じましたね。

    ●そうして凛として時雨の活動に戻り、再び3人で合わせてみたときの感触はどうでしたか?

    ピエール 今までの時雨の感じと変わらずでしたね。彼らとプレイするときはいつも刺激的なので。出来上がってくるデモも“相変わらず難しいなぁ”と思いましたし(笑)。TK(vo、g)は、ソロをやってからどういうふうになるのかっていうのが楽しみだったんですけど、僕や345(vo、b)が持っている魅力を最大限に発揮させる楽曲を意識して作っているのかなという印象を受けました。新作は、よりバンドの色が濃くなったなと思うし、そういうプレイヤーの持ち味が表現されているアルバムになっていると感じますね。“ピエール中野ってこういうのもやるんだ”って思うようなパターンやフレーズも引き出してもらえたと思います。

    Review 〜当時のインタビューを振り返って

    ピエール中野「思いつくこと、やれることはできなそうな仕事もすべて引き受けていた時期。GLAYが初の外仕事だったのも印象的で、本当にうれしかったです。ドラマガフェスも歴代最多動員のパフォーマンスで、勢いしか感じないインタビューになってますね。チューニングや音作りの技術も飛躍的に伸び出した時期です。テックの必要性にも言及してて、インタビューもかなり慣れてきてる。学生の頃はシャッフルが叩けなかったという恥ずかしい話が掲載されてて、包み隠すことなく全部話していくモードになってます。タイム・コントロールは自然に、音楽的に、考えすぎないように。どうしてもわからないときは気持ちの良いタイムをとにかく真似することが大切。求められるドラマーについても話してるけど、やっぱりこの人と一緒に演奏したいって思わせるプレイだったり、人柄が大事なんですよね。技術だけではないし、無礼で嫌な感じの人とはどんなに人気で勢いあっても一緒にやりたくないし、そういう人は業界から残らず消えていく。逆に残ってる人達ってのは一見性格悪そうでとっつきにくくても、実際に会うと丁寧で優しくて良い人だったりします」。

    12月14日発売の『ピエール中野[凛として時雨]アーティスト・ブック』では、このインタビューの続き&過去の掲載記事をまとめて読める!

    詳細はこちら⬇︎

    本体2,500円+税
    128ページ
    2020.12.14発売予定
    ISBN:9784845635733

    絶賛予約受付中!

    Artist Book
    ピエール中野[凛として時雨]

    今年CDデビュー15周年を迎えた凛として時雨のドラマー、ピエール中野。ドラマーとしてはもちろん、プロデューサー、DJ、MC、ヘッドホン/イヤホンの監修など、その才能を多方面で発揮している。本書ではそんなピエールのマルチな魅力をさまざまな角度から掘り下げていきます。録り下ろしによる最新の超ロング・インタビューでは、そのルーツやドラマーの軌跡はもちろん、求められる自分になる方法や、セルフ・プロデュース術などにもフォーカス。ドラム・セット5台、スネア・ドラム24台を核とした膨大な機材コレクションや、愛用のイヤモニや監修したイヤホンも30ページ以上に渡って掲載! さらにリズム&ドラム・マガジンでこれまでに行ってきたインタビューを再収録する他、関係者によるコメントや撮り下ろし写真を駆使したプレイ・スタイル分析なども掲載。ドラマーとしての魅力を凝縮したアーティスト・ブックでありながら、“人生の歩き方”もわかる世界的にも類を見ない1冊です。

    -掲載予定コンテンツ-
    Special Interview
    Biography
    Gear
    Drumming Style
    Archive Interview
    Discography、etc.