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Archive Interview – ジェフ・ポーカロ

  • Interview:Shinobu Tanno Photo:Rob Verhorst/Getty Images

伝説のグルーヴ・マスターが語る音作りの秘訣とドラムの上達方法

8月31日に公開した“最強のドラム練習帳”の「ジェフ・ポーカロに学ぶハイハットにおけるリズム構築術」。伝説のグルーヴ・マスターのテクニックを解説しているということで、数多くの反響が寄せられた。それを受けて、ここでは過去のドラム・マガジンで行ったジェフの超貴重なアーカイヴ・インタビューを再編集して一部公開! 今から35年前、1985年“夏号”に掲載された、来日時の録り下ろしたインタビューで、ドラムを始めた当時の話から、サウンド・メイクの秘訣、そしてどのようにしてそのスタイルを築いていったのかについて、語っている。

ドラマーになるなら父と肩を並べるようにならなければダメということがすごくプレッシャーだった

●まず昔の話からうかがいましょう。小さい頃、お父さんのジョー・ポーカロからドラムについていろいろ教わりましたか?

ジェフ もちろん。7、8歳の頃にセットなし、スティックと練習台だけでルーディメンツ を教わった。1年半は父自ら教えてくれたが、その後半年くらいは(教える担当が)父の生徒に代わり、9歳になる頃には私の方がドラムを真剣にやらなくなっていた。父は仕事で各地を飛び回っていたから、その後は完全な独学になり、階下にあった父のドラム・セットに向かい、ヘッドホンをかけてレコードに合わせて叩いていたよ。

●当時そうやってコピーしていたレコードは何でしたか?

ジェフ 最初はジャズだった。マイルス・デイヴィスやエルヴィン・ジョーンズだね。それからビートルズが出てきて、67年にジミ・ヘンドリックスが登場してからは、ミッチ・ミッチェルだね。あとはジム・ケルトナーにジム・ゴードン。コピーしたのはそのくらいだ。ジンジャー・ベイカー……クリームは好きじゃなかったな。

リズム&ドラム・マガジン
1985年 Summer

●兄弟の中で、あなたがドラム、マイクがベース、スティーヴがキーボードに専念するようになったきっかけを教えてください。

ジェフ それは面白いところだね。スティーヴがまだほんの子供の頃、私とマイクがドラムを始めたんだ。マイクは今でも、プレス・ロールとかのルーディメンツが私よりずっとうまいんだよ。タイム感やスティック・コントロールが実に素晴らしい。家に帰るとドラムにかじりついて練習してる。ただ彼は10歳くらいからギターを始め、後にベースに移って学校のバンドなんかに加わるようになった。私は私でドラマーとしてバンド活動に入っていったんだ。だからそのへんは自然の成り行きだった。もしマイクがあのままドラムを続けていたら、私よりずっと上手なドラマーになっていただろう。

●あなたにとって、プロのミュージシャンになるというのは自然な選択でしたか?

ジェフ ハイ・スクールで絵画や彫刻などを専攻し、美術を第一に考えていた。それで学校の仲間とバンドを組んでドラムをやっていたわけ。父があんなに成功したドラマーだったから、自分もドラマーになるなら父と肩を並べるようにならなければダメだというのがすごくプレッシャーになってたんだ。もちろん父の方は何も言わないが、若い息子がそう信じ込む気持ちはわかるだろう? しかしそのうち私をドラマーとして呼び出す人が増えてくるにつれて、私もドラムを真剣に考えるようになった。父の眼から見て立派なドラマーにならなくては、と思ってね。

●プロ入りした直後のきっかけというと?

ジェフ ハイ・スクールの最後の年、17歳になるともう美術関係の授業は取り尽くしちゃって、何でも好きにやってろ、という感じだった。友人の中には両親が美術学校に行かせてくれるという人もいたけど、我が家にはそんな余裕はなかった。これではベトナムに行くしかないかな、でも嫌だ、カナダに逃げようか、州民軍に入ろうか……なんて考えていたんだ。軍隊に入らないなら州民軍に7年ということになっていて、ちょうど州民軍のバンドのドラマーが空席だというから、それも悪くないな、でも7年は長すぎる……と悩んでいたところに、ソニー&シュールのツアー・バンドに参加する話が舞い込んだんだ。めでたくオーディションに合格すると彼らと一緒にあらゆるところを回った。と同時にLAのクラブにも出るようになった。それが72年頃で、ある晩たまたまクラブに来ていた(ウォルター)ベッカーが私の演奏を聴き、(スティーリー・ダンの)ツアーへの同行を申し込んできたんだ。その後、彼らのレコーディングにも参加するようになると……『プレッツェル・ロジック』が2曲に、あの『嘘つきケイティ』だけど……“あの若いドラマーは一体誰だ?”ってことで、あとは雪だるま式にいろんなセッションの話が来るようになったんだ。

ジェフが全面参加したスティーリー・ダンの『嘘つきケイティ』

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